2018年10月22日(月曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第140山】蓼科山2531m(長野県)「北八ツのデザートセット」

八ヶ岳の北端を締めるかのように、きっちり端正な山がそびえている。その姿から諏訪富士とも呼ばれるが、シルエットの描くカーブが繊細絶妙な本家富士山からすると、かなり単純なスタイルだ。子供の描く様な単純明快な富士山の絵に近い。プリン似と言った方がピンと来るだろう。

さてプリンなる食品を構成するラインを想定してみると、その斜面は結構急である。実際、蓼科山も下部から頂上まで傾斜のきつい急斜面。道がジグザグに付いていれば良いものを、定規で引いたような直線ラインであるから、実にきつい。登頂ルートは二つあるが、どちらからでも急坂に喘がなければならない。

ようやく山頂、通常は山頂の一角に立つと展望が一気に開けるから、ワクワクドキドキもの。が、たどり着いて驚くのは360度のパノラマよりも、プリンの上面、ちょうどカラメルが懸かっている部分の眺めだ。富士山タイプのスタイルから、火口が開いているのかと思いきや、見渡す限りの岩また岩で埋まった大運動場。一辺が50㎝から1mほどの角ばった岩塊で満たされているのである。斜面を埋め尽くす岩塊ならあちこちの山で見られるが、岩塊が平地を成している所など滅多にない。それもあって眼前の光景にド肝を抜かれてしまうのだ。

岩平原の中心にはご丁寧に鳥居と社があって、この風景がまたシュールでいい。当然ながら山旅の無事を祈って参拝。おっと、二の次になってしまった展望だが、独立峰だけに実にワイドで素晴らしい。ただプリンの上面が広いので、一点から360度と言うわけにはいかず、両端の2か所くらいに立って、夫々を合わせてと言うことにはなるが……。

せっかく遠方まで来たのだから、プリンだけで終わる手はない。幸い周辺の北八ヶ岳は森と池の宝庫でもある。深い森の中に、ひっそりと山紫水明で佇む湖水の数々。水の色は池によって様々、蒼い水はソーダの如く、深い碧色は玉露の如し。プリンとドリンクの組み合わせ、蓼科山と北八ツの池は上質のデザートセットだ。ならばひと手間かけて実物持参、山頂や湖畔で喫茶タイムと洒落てみよう。

◆おすすめコース
蓼科山七合目-蓼科山(往復3時間半:中級向け)
※できれば周辺の山小屋に泊まって、池巡りも楽しみたい。

1520-2

上面カラメル部分が岩塊群、まさにプリン山(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド ◎昭文社:山と高原地図33「八ヶ岳」

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