2019年2月1日(金曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第146山】鎌倉やぐら巡り(神奈川県)「まんまの鎌倉史跡を探る」

鎌倉時代の屋外建造物で現在まで残っているのは大仏様ご本尊くらいで、他の大半は江戸時代以降の再建である。火事はもちろん、地震や津波の影響が京都奈良の比ではなかったことが寡少の理由に挙げられる。一方、山の中には創建時から脈々と生き続けている史跡が多く存在する。それが「やぐら」なのである。

やぐらとは、鎌倉中期に手狭になった市中にお墓を立てることが禁止されたため、やむなく周囲の山肌を穿って堂を造り菩提を弔ったもの。あくまで鎌倉の特殊事情によるものだから、鎌倉周辺以外で見かけることは稀だ。風化が進んでいるとは申せ、鎌倉時代そのままの営みを直に感じることができる点、貴重な歴史史跡と言える。代表的な所を、ハイキングがてら順に巡ってみよう。

まずはやぐら入門編。拝観料を払って明月院へ。中に入ったり触れたりはできないが、規模が大きくきちんと整備されているので、目だけで存分に楽しめる。続いて天園ハイキングコースに乗り、中途の十字路の直下にある「百八やぐら」へ。案内看板が不十分なのでお見逃しなきよう。ここは管理下にはないので触れるのも自由だが、そこはほどほどに。道は悪いが、分け入るほどに連綿と連なる数の多さに圧倒される。

天園から尾根上を南下、この付近は道のすぐ脇にやぐらが点在している。山を下り報国寺への道に入り、巡礼古道を登っていくと、金剛窟地蔵尊に至る。本尊は穴奥にレリーフ状に掘られたもので荘厳、周辺の紅葉は絶品の一言。

最後は名越切通への道を取る。切通の直前にあるのがまんだら堂で、ここのやぐら群は圧巻。崖地に上下3段にも4段にもやぐら穴が並び、まるでお墓のマンションのよう。集中度と一覧性なら鎌倉随一で驚かされること請け合いだが、公開は期間限定。公開時には案内ボランティアが管理していて話も聞ける。

鎌倉で確認されたやぐらは2000とも5000とも言う。今回紹介の他にも無数のやぐらが鎮座している。その多くを見学するには山歩きが絶好だ。一足延ばして一味違った鎌倉探訪を。生鎌倉を堪能しよう。

◆おすすめコース
北鎌倉駅-明月院-百八やぐら-天園-報国寺-巡礼古道-浄明寺緑地-まんだら堂-大町-鎌倉駅(4時間:初級向け)※まんだら堂の公開時期は春と秋、ネット等で検索を。所管は逗子市文化財保護課

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まんだら堂やぐら群の威容(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド ◎『鎌倉&三浦半島 山から海へ30コース』他

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