2019年2月20日(水曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第147山】箱根三国山 1,102m(神奈川県)「3つの三国山」

通常の県境は線だが3県境は点をなす。ありそうでいてなかなか希少な存在で、全国でも40箇所ほど。また大概の場合、県奥で山地の只中にあり、点上のピークの多くが「三国山」と名付けられている。その数、約30座。我が神奈川県は実に3座を数え、面積が狭い割には全国有数の三国山輩出県となっている。

まずは県最北部の三国山(三国峠とも呼ぶ)だ。東京・山梨との3都県境に位置する。このエリアでは有力な生藤山の一角に当たり属峰待遇ではあるが、きちんと看板が立つ。眺めも良くハイカーに人気のピークである。

2座目は県の最西部、丹沢の外れにある三国山で、山梨・静岡との3県境に当たる。深い森に覆われ展望は無いが、広やかで心休まる風情があり、車道のある三国峠から気楽に登れる。

3座目が、箱根外輪山の一角、芦ノ湖西岸から立ち上がる三国山である。地図通の人なら、こんな所に3県境など存在しないと気づくだろう。確かにここは静岡との2県境に過ぎない。が、名前をもう一度よく観察してみよう。三県山ではなく、あくまで三国山なのだ。静岡県東部は江戸期までは伊豆の国であった。そう、この山は相模・駿河・伊豆の3国境ゆえに名付けられた三国山なのである。ただし真の3国境はその南5㎞程の地点にあるので、おおまかに近くの一番高い山に三国の栄誉を与えたのだろう。

県内3座の中では、一番お勧めかもしれない。ドライブインのある山伏峠から約1時間で山頂。眺めは無いが自然林に覆われた静かなピークだ。展望についても代替えがある。登り始めの山伏峠にあるピークに上がれば、眼下の芦ノ湖から箱根山中、富士に及ぶ大パノラマが感動もの。さらに山頂から僅かに北側が第一級のブナ原生林になっている。中に1本、炎の様に枝を舞い踊らせる巨樹があって、もうこれはパワースポットと言う他はない。

希少な三国山が3座もある神奈川県。都会チックなイメージに反してなかなかの山岳県であるといえる。県内の三国山を順に巡って、それぞれの個性、そして神奈川の山の豊かさを体感してみては如何だろう。

◆おすすめコース
箱根町バス停-海ノ口-山伏峠-三国山-深良水門-桃源台(4時間30分:中級向け)※観光+αクラスの人は山伏峠からピストンで。

1531-2

芦ノ湖畔から見た三国山(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド 昭文社:山と高原地図29「箱根」

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