2019年3月1日(金曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第148山】金沢山 76m(神奈川県)「山中古刹の立役者」

私事になるが、これまでで最も多く登った同じ山が金沢山で、登頂回数は500回近くになる。タネを明かせば金沢区役所勤務の頃、秋から春にかけて、昼休みに散歩がてらせっせと登っていた賜物で、1回当たりの所要タイムは40分ほどだ。だが、一見身近に過ぎるこの山も、様々な魅力を秘めた、いわば登り飽きしない存在なのである。

鎌倉寺社の別格ともいうべき存在が称名寺で、街中の海岸近くにありながら、池を巡る伽藍配置は山奥の古刹ムードに溢れている。それも背後に緑豊かな山地がゆったり控えているからに他ならない。その立役者が、台山、稲荷山、そして最高峰の金沢山から成るミニ山地だ。一帯は寺社林であったために、本来の植生である常緑の照葉樹が保たれ、落葉樹も多く豊かな自然に恵まれている。

深い森には整備された遊歩道が四通し気持ちよく歩けるが、ラストの急登のきつさはなかなかのもの。しかし山頂ではその労苦が報われるような展望が開ける。眼下の寺と緑、背後の街並み、青い東京湾と八景島のピラミッド屋根、優美な曲線を描くシーサイドライン。新旧そして人工と自然が混然となっているのに、違和感なく不思議にまとまった眺めなのである。

通い詰めたが故の穴場も紹介しておこう。春先、金沢実時墓所前から下る谷沿いの道は、ニリンソウ(二輪草)が咲き乱れる。また、山頂から境内に直接下る急階段ルートには数多くの石像が祀られているが、中にポーズと言い表情と言い魅惑的としか表現しようがない一体が(写真)。寄進者は金沢地区の文化発展に多大な功績を残した大橋新太郎翁だ。翁の遊び心もこめられているような。見つけ出せれば思わずニッコリしてしまうはず。

もちろん最後は称名寺拝観で締め括ろう。桜の頃なら絶品だが、通としては花の散った直後がお勧めだ。阿字ケ池では散った花びらがピンクのマーブルトーンを描き出す。背後の山では芽吹きがパステルトーンのハーモニーを奏でているかのよう。花見の喧騒も去り、「山中の名刹」が最も美しく映えるワンシーンを、静かに堪能できるのである。

◆おすすめコース
金沢文庫駅-城山台-金沢山(八角堂)-称名寺-八景島駅(1時間:初級向け)※下山と拝観後は海の公園に出て、浜辺から金沢山を振り返ってみたい。

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▲誰かに似てません?(上の画像をクリックすると大きく表示します)

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春爛漫の称名寺(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド ◎「金沢区民生活マップ」区役所またはWEB検索で。

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