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[視座] カジノ誘致「自治体労働者の働きがいと相いれない」

 神奈川県弁護士会が、「横浜市のIR誘致発表に関する会長声明」を発表しました。

 9月11日付。いわゆる「カジノ解禁実施法」では、反社会的勢力の関与、マネー・ロンダリング、ギャンブル依存症等の問題点の十分な検討なく、公益性が認められる公営と異なる民間カジノに賭博罪の違法性を阻却する事由があるとは言えない。「中期4か年計画(素案)」のパブコメ(18年5月)と神奈川新聞の世論調査(17年10月、反対68・0%、賛成24・5%)を例に、多数が反対。市長選の争点とせず、民意を問うていない、など理由に誘致に反対しています。

 横浜市従中央執行委員会声明(9月6日)のとおり、自治体労働者の働きがいは、憲法に基づく基本的人権の保障を地域で具現化していく公務労働の本質にこそあります。住民を欺くカジノ誘致の推進は、自治体労働者の働きがいとは相いれないものであり、私たち自治体労働者が望まない仕事と言わざるを得ません。

 今年8月、市従が加盟する自治労連は、「職場と地域から『憲法をいかし、住民生活と地方自治を守る』こと」を向こう3年間の責務と位置付ける方針を大会決議しました。

「凡庸な悪」もしくは思考停止した役人

 方針は、政治哲学者アーレントがホロコーストに関与したアドルフ・アイヒマンについて「悪の凡庸さ」と書き、時代の最大の犯罪者の一人になる素因を「思考停止」に求めた論を採用して、「思考停止であってはならない」と呼びかけています。

 さて、イスラエル警察による尋問録音記録にもとづく調書によると、アイヒマンは、何千もの一般官僚と同じ無名な課長でした。

 本人曰く、ユダヤ人抹殺の「指示をしたこともなく、手を貸したことも」「そもそも人を殺したこと」も「殺せなどという命令を受けたことも」ない「移送のための運行計画」に限定された責任と権限。

 裁判でも、単に命令の遂行者で、行為の由来は〈職務への勤勉さ〉と示されました。

 ともすれば私たちは、アイヒマン型の公務員を抜け出せないようにも思われます。

 そこで想起すべきは、1961年の地方自治研究集会、四日市公害のレポートでしょう。三重県職員労働組合が暴露したデータは、県が門外不出とした公衆衛生学者の調査報告書。

 つまり、組織のルールを逸脱する情報漏洩で、一部の独占企業の儲けのために住民を犠牲にするコンビナート開発を批判し、地域社会「全体の奉仕者」たりえたのでした。

 住民の権利と自治を最優先してきた労働運動の歴史を再現し続けることが、私たちの課題としてあるに違いない。