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住民にカジノ問う条例へ急げ

権力は腐敗する

 19世紀を生きた歴史家ジョン・アクトンの「絶対的権力は絶対に腐敗する」と続く格言が想定したのは、とかく専制君主が人民の声に耳を傾けず、その権力が腐敗する傾向にあることでした。

 9月14、15の両日に神奈川新聞社とJX通信社が合同で実施した市民意向調査では63・85%が。9月28、29の両日に朝日新聞社が実施した世論調査では64%が、それぞれカジノ誘致に反対していることが報じられています。

 調査では住民投票の実施が必要との回答もそれぞれ72・48%と59%に上ったそうです。

 専制君主でもあるまい。民主制を敷く地方公共団体の長であれば、自ら表明したカジノ誘致方針をひとまず撤回し、考え直してもよさそうなものです。

 ところが林市長は「経済界からは何としてもやってくれと言われている」(9月26の市会決算特別委員会連合審査会)と答弁して、地域住民全体に問うことをせず、一部にすぎない財界の意向を汲んで市政運営を続ける態度です。

 さて、10月24日、市従中央執行委員会は、「カジノ誘致に反対し、カジノ誘致方針の撤回をめざす市従の当面の運動方針」を提案しました。副題は「カジノ誘致の是非を問う住民投票の実現に向けて」です。

 住民投票を実施するためには「カジノの是非を問う住民投票条例」の制定に賛同する市内有権者の署名を2か月の法定期間内に、その1/50(約6万2000人)以上集めて直接請求する必要があります。

受任者登録

 署名は直接請求代表者と代表者から委任を受けた人=受任者しか集めることができません。

 提案中の方針の柱は、1000人を目標に、横浜市に有権者登録のある役員はもとより、組合員、職員などにも呼びかけて受任者登録を組織することです。
 11月7日の中央闘争委員会で方針決定を目指して、各支部に討議をお願いしています。

 地方自治の本旨は、住民自治と団体自治にもとづき住民の福祉の増進をはかることです。

 地方自治体は、住民自治を徹底する立場から、市政の将来に関わる重要な施策は市民の意思にもとづき決めるべきです。

 地方自治の擁護・発展は、市従の綱領「私たちは、すべての働く市民と協力して、地方自治を破壊する一切のやり方に反対し、真に市民のための市政を実現するために、たたかいます」に基づく任務です。市従労働運動の真価を発揮すべき時です。

 行政職も技能職も、特別職である嘱託職員も。市内に有権者登録のある市従の組合員は、選挙管理委員会職員を除いて、誰でも受任者になれます。
 地方自治に携わり、その発展を願う立場で、方針案に熱い支持を送ってほしい。