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市民集会 ハーバーリゾート協会と3労組が発言

 カジノを中核とする統合型リゾート施設(IR)の誘致を市長が正式表明してからちょうど1年になる8月22日、横浜市従も参加する「カジノの是非を決める横浜市民の会」は、カジノの是非を問う住民投票条例制定をめざす集会を山下公園で開催しました。条例制定を求める直接請求署名の成功に向けて、参加者は「勝手に決めないで」と声をあげました。

 運営委員長の岡田尚弁護士、共同代表の小林節慶応義塾大学名誉教授、カジノ誘致反対横浜連絡会の後藤仁敏代表、政党からは立憲民主党、日本共産党、社会民主党、神奈川ネットワーク運動、新社会党、緑の党があいさつしました。立憲民主党子ども子育てプロジェクトチームコーディネーターの市井紗耶香氏も登壇し、「いち親としても放っておけない問題」だと発言しました。横浜港ハーバーリゾート協会の水上裕之氏と市従を含む労働組合3団体の発言は以下の通りです。

「徹底的に抵抗する」横浜港ハーバーリゾート協会 水上裕之事務統括

横浜港ハーバーリゾート協会 水上裕之事務統括

 山下ふ頭を見てください。こんなにいいところないですよね。ここで刑法違反にあたるカジノ、博打をやろうということを行政、政府、市長、そういう方々が先導していいんですか、ということです。

 残念ながら、私ども港湾の関係者は戦前戦後にわたって博打をやってまいりました。その中で、体験として、こんなものやっちゃいけないと身に染みているわけです。その我々が「やっちゃいけない」と言っているんです。それを市と政府が先導してやるというのは一体どういうことなんですか。そういうことはやっちゃいけません。なぜか。(カジノをやれば)本当に財産を失くすし、ましてや胴元がアメリカ、他の外国だったらどんどん(日本国民の)財産が(海外資本へと流れて)なくなってしまいます。そういうの、分かっているんです。ですから絶対にやっちゃいけません。

 私どもはこのIRとか、カジノとか、そういったものに惑わされずに、この5年間色々な検討をやってまいりました。市長をはじめ、市の行政の方々には色々と(事業提案を)やらさせていただきました。しかし、全部無視されてきました。それは去年の8月22日、ある日突然ですね、我々が今事業をやっている山下ふ頭でカジノをやるなんていうことを急に言われたんです。まったくあいさつもなにもないです。それから1年間経ちましたけれども、何もないです。こんな非礼な話があっていいんでしょうか。だめですよね。
 ここをもしIRカジノにするというんだったら、どうぞやってください。我々はここに居座って徹底的に抵抗して入れさせませんので。その時にはどうぞ皆さん、力をお願いしたいと思います。

「住民投票で決めること 地方自治の実践」横浜市従業員労働組合 森田昌宏書記長

横浜市従業員労働組合 森田昌宏書記長

 横浜市従では、昨年の林市長の突然のカジノ誘致表明以降、住民投票条例を求める運動を、連絡会や市民の会とともに進めてきました。組織内外でIRカジノの問題を広げることと併せて、受任者組織を進めてきました。

 カジノの害悪は皆さんの周知のとおりですが、とりわけ私たち自治体労働者がいのちとくらしを守るべき市民に、依存症の危険や、治安の悪化により生活環境の悪化を招くような市政はおこなうべきではありません。

 賭博という犯罪行為を前提に、市民の不幸で自治体の財政を賄うことなど、やるべきではないと思います。

 これだけ市民に大きな影響のある政策について、市民の声を聴かずに進める一方的な林市長のやり方は、住民自らが参加して市政を進める住民自治と、国から言われることをやるだけではない独自の判断で市政を行う団体自治にもとづく地方自治の本旨に反していて、憲法にもとづく基本的人権を地域で具体化するという自治体労働者の公務労働の原則にも逆行しています。

 カジノの是非については、いまだに職員の中でも様々な意見があるのは事実です。しかし、反対か賛成かどちらの立場でも、住民投票でカジノの是非を決めることは、地方自治を実践することになります。

 私たち横浜市従は、今回の住民投票条例直接請求運動を、自治体労働者として憲法に基づく地方自治の実践として位置づけ、市民のことは市民が決める、市民が主人公になる市政をめざす運動としても進めています。

 住民投票条例の成功をめざして、引き続き皆さんと奮闘する決意を申し上げ挨拶とさせていただきます。

「私たち労働者・市民の問題」神奈川県私鉄労働組合 髙橋廣康委員長

神奈川県私鉄労働組合 髙橋廣康委員長

 今回のこのカジノの問題、多くの議論を積み重ねて、やっぱりだめなものはだめだろう、この問題を見過ごすわけにいかないだろうという議論に達して、今日参加をさせていただいています。

 もう一つ、労働者、結構弱いもんでありまして、博打があるとつい行ってしまう可能性があります。一年に何人か、そういうことで、今カジノはありませんが、(ギャンブルで)借金をつくって、退職金で清算して会社を辞めなくちゃいけない、こういうことが、特に最近多くなっております。そういったことも含め、この問題、他人事じゃなくて、私たち労働者・市民の問題としてとらえて、これからもみなさんと一緒に闘いを進めていきたいと思います。

 大資本ばっかりが儲けて、労働者・市民からお金を巻き上げようとする、そういった政策に反対をして、市の施策を変えさせていく、こういったことに微力ながら一緒にやっていきたいと思います。

「子どもたちに与える影響を心配」横浜市教職員組合 高木克明副委員長

横浜市教職員組合 高木克明副委員長

 お隣、東京ではオリンピック開催に向けて、インバウンドのお客様を「お・も・て・な・し」でお迎えするそうです。これからの横浜はインバウンドのお客様を「と・ば・く・じょ・う」でお迎えするのでしょうか。とんでもありません。

 このカジノの悪影響、私たちは子どもに与える影響を心配しています。日頃から私たちは一生懸命、子どもたちが自分たちの個性をいかし、横浜の未来を担うような子どもたちになるよう(に教員として携わり、子どもたちは自分らしく)育っています。

しかし、身近にカジノができて、もしかしてお金を一攫千金稼げると思ってしまったら、子どもたちの将来をゆがめてしまいます。さらには子どもたちの家庭(が心配)です。今でも経済的に苦しい(家庭の)子どもたちが多い中で、親がカジノにのめりこんで子どもたちをなおざりにしてしまう、そんな家庭が出てくるのではないか、そこも心配しております。

 子どもたちの環境を守るのは大人です。ぜひ、市民一人ひとりの力を合わせてカジノを阻止、頑張っていきましょう。