2008年12月15日(月曜日)[ 絵本ひらいてみませんか ]

第60回「だいじょうぶ だいじょうぶ」

daijoubu-2 だいじょうぶ だいじょうぶ
作・絵: いとう ひろし
講談社


 

私が赤ちゃんのころ(覚えていませんが)母の子守り唄やお話で眠りました。
心地良かったり悲しい旋律には泣いてしまったり。

子守り唄には苦くて、そして嬉しかった想い出があります。もう30年も昔のことです。 夏になると保育園では、3・4・5・歳が一緒に生活していました。
私のクラスでそうしていたので、お昼寝の時に子守り唄を歌いました。すると先輩の保育士から「うっとうしいからヤメテ」の声。
もちろん止めました(笑)でも心の中では大ショックです。

この一件を知った園長に「子どもたちのために歌ってあげて。癒やされるわよ」と励まされました。
秋になって子守り唄復活!へこたれている時のおまじない「だいじょうぶ」
きょうのおはなしは、このひと言がキーワードです。
いじめられたり、危険な目にあったり、悩んだり、自信を失ったり…。
成長する過程でたくさんの試練に合う度
《おじいちゃんは、ぼくのてをにぎり、おまじないのように「だいじょうぶ だいじょうぶ」とつぶやきます》

毎日おじいちゃんとの散歩が世界を広げ、人や出来事とどの様に向き合うか、を知らず知らずのうちに伝えてくれます。
そして難しいと思ったこと、怖かったことを克服し大きくなった「ぼく」の番。
入院しているおじいちゃんの手を握り
《だいじょうぶだよ おじいちゃん》
あの「子守り唄事件」である人は心地良くても、別の人には耳障りとなるのを知りました。

何ごとにも言えることで、「自分流」を押し通すのはきついことでしょう。でも周りを見つめ、距離を置けば、ずいぶん生き易くなるだろうなぁ、と最近思うのです。
《むりして みんなと なかよくしなくても いいんだって》
この言葉は救いです。この本のもうひとつのメッセージでしょうか。

ちいさな絵本です。そのうえ見開きに4コマの絵が載っていますので、大勢ではなく子どもを膝に入れて、または、おとながしみじみ読むのもいいかもしれません。やさしい色使いと、やわらかく親しみやすい絵が心をほぐしてくれます。

「横浜市従」第1219号(2008年12月15日)より

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