2008年12月15日(月曜日)[ コラム「しじゅう」 ]

公的資金投入に思う

46兆8千億円…この数字は何だろうか?実はこの10年間で銀行業界全体に投入された公的資金、言うならば国民の税金である。そのうち既に10兆4千億円は国民負担が確定しているという。国民1人あたり8万円!4人家族なら32万円を銀行業界にカンパしたことになるのである。そんな覚えはないと言っても、もう遅いのだ。

2兆9千億円…この数字は、三菱東京UFJ・みずほ・三井住友・りそななどの07年度申告所得の額である。一方納めた税金は1169億円、税率たったの4%!我々のボーナスだって税率10数%は当たり前なのに、銀行業界は4%しか納めていないのである。ただ同然の利率はもう長いこと庶民の懐を痛め続けてきた。雀の涙の貯金の利息はATM手数料にも充たない。

そして公的資金の投入を受けた銀行は、融資を拡大するどころか、ひたすら貸し渋り貸しはがしに精を出し、年の瀬を控えた中小企業は青息吐息となっていて、倒産する企業も続出している。

経済観光局が11月11日発表した「市内企業の資金繰り状況および円高・株価下落等の影響についての緊急調査結果報告」によれば、「資金繰りについては中小企業の約半数が現在厳しい状況にあるとし、約7割が年内の先行きが厳しくなる。円高については36.9%の企業が経営を圧迫。株価下落については47.2%の企業が経営を圧迫」と回答している。

市従が事務局団体を担当している横浜市民団体連絡会は「生活防衛の緊急要望」を街頭署名などで集め市長宛提出したが、その取り組みの中で聞く民間労働者の話は、役所の中だけにいてはとても想像の出来ない話ばかりだった。貧困問題の解決なくして、この国の明日はないということなのだ。

しかし時の為政者たちは金持ち・大企業優遇の減税やもうけ話ばかりに夢中で、貧困問題の解決や中小企業振興などにはおよそ関心を示さない。その流れを変えるための政治の革新がどうしても必要だと、ふざけた数字を見ながら痛感する年の暮れである。

「横浜市従」第1219号(2008年12月15日)より

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