2009年7月1日(水曜日)[ コラム「しじゅう」 ]

人間一度は死ぬけど

究極のバラマキ政策の定額給付金が振り込まれました。当初、景気回復のために、内需の拡大のためにとのことでした。我が家は成人3人なので1人当り1万2千円。すぐにそれぞれに渡して、使い道は個々の判断にまかせました。

ところで、私たちの賃金は据え置かれたままです。最近は消費が低迷していることから、商品価格も下げられているようですが、消費者側も自衛手段として無駄なく、いろいろ工夫し、節約しています。さらに、この夏のボーナスは0.2か月削減されました。正直のところ、ローンの返済など厳しいふところ具合になっています。これでは、とても消費の拡大は無理です。

株や為替の動きから、景気も「底打ち」か、との声も聞かれますが、実体経済との時間差は半年早いと言われるので実感はありません。6か月後に好転するという保証もないのです。

派遣切りや内定取り消しなどのニュースが大きく伝えられてから、半年が経ちました。確かにメーカーでは、在庫調整などが進み、ようやく生産への動きも出てきたようです。雇用への緩和も期待したいところですが、働く者の収入はいまだ回復していません。急激に改善することもありえません。

毎日のニュースでやたらと殺人事件が報道されます。犯罪者の中には「たれでもいいから、人を殺したかった」などと悪びれた様子もなく、とんでもない発言をするケースが目立ちます。その一方で自ら命を絶つ人の数が、年間3万人を超えているとも伝えられます。

「死」や「命」について考える書籍や映画作品も増えています。現代日本の社会現象なのでしょうか。ゲーム感覚でリセットホタンを押せば、何でもかんでもすぐに回復できるなどと思う人が増えているのでしょうか。

毎月定期的に通っている医療機関で問診表を渡され、それに答えていますが、設問のトップは「自殺したいと思いましたか」、「罪悪感をもっていますか」、「自身に批判的ですか」等20問が並びます。回答のほとんどは「問題なし」にチエツクしますが、もし感情的に不安定であったり、何かで追い込まれたりすると、危険な答えをしてしまうのだろうかと不安を抱いてしまいました。人間は、生きている限り、一度は間違いなく死にます。「死」と隣り合わせに、なった経験もありますが、「死」というのは恐ろしいことなのか、「生きる」ということは難しく、大変なことなのか、考えることがあります。

「横浜市従」第1230号(2009年7月1日)より

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