2007年12月15日(土曜日)[ メディアを問う ]

筋道と論理で考えよう

関東学院大学教授 丸山 重威

 テロ特措法の後継法案として、給油法案が国会に提出された。途端にイラク戦争開始時の自衛艦から米補給艦への給油量が国会答弁の四倍だったことや、自衛艦の航海日誌の一部が破棄されていた事実が分かり、ろくに議論もなく6年も続けた自衛隊の活動のずさんさが明らかになった。

  「アフガニスタン国際治安支援部隊(ISAF)に自衛隊を派遣すべき」という「小沢論文」が問題を混乱させ、守屋武昌前防衛次官のスキャンダルまで出現した。そして「福田・小沢密室会談」。政局はまさに混迷している。

  こんなとき、どう考えればいいのか。大事なのは、きちんと問題の筋を立てて議論することだが、なぜか日本の新聞はそうしたことが下手だ。

  新法に対する10月18日付の論調は、読売は「離脱はできない『テロとの戦い』」、産経は「新特措法成立のカギは首相の決意」と政府案支持だが、朝日は「こう疑惑が相次いでは」、毎日は「ご都合主義見える新法案」、東京は「貢献を再考する契機に」と慎重だった。ただし、朝日はテロ特措法による給油は国際社会の支持があり、「違憲とする小沢代表の考えは納得しがたい」という。

  それこそ納得し難いが、朝日は一方で「ISAF参加は国連決議に基づくから、武力の行使があっても憲法に抵触しない」という小沢論文には、「国連決議があれば自衛隊が戦闘に参加してもよいと言うことではあるまい」(10月6日)と疑問を呈した。

  国連は世界政府ではなく、常備軍も国際警察軍もないのだから、小沢論文の乱暴な議論には賛成できないが、戦時の軍艦への給油は、弾薬補給と同じ「兵站(たん)」だ。

  どうであっても戦闘に加わるのは憲法違反だし、兵站を担うのも憲法に違反する。これが「ものの道理・話の筋」だ。そこへ戻れるのかどうか。いま、米国追随外交の見直しのチャンスである。

「横浜市従」第1197号(2007年12月15日)より

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