2009年7月15日(水曜日)[ コラム「しじゅう」 ]

保守大物の言動に思う

自民党の野中広務元幹事長が共産党機関紙である「赤旗」日刊紙の一面に大きく登場したのは6月27日だった。

「いま日本がおかしい」という大見出しで「52年間の政治生活を通じて『宿敵』だったあなた方に私の思いを語るのも、いまの時代がそうさせるものだと思います」と言っている。

その中で野中は「小泉内閣の5年は、短い言葉で国民を狂わせて、アメリカ型の市場万能主義をそのまま持ち込み、アメリカの権益がかかわる戦場に自衛隊を派遣して、日本の屋台骨を粉々にしてしまいました」と述べている。野中はさらに「自民党は戦争が好きな政党になってしまった」とも言っているが、彼の反戦の思想は自らの戦争体験から出ているものだけに揺るがない強さを感じさせる。

また「サンデー毎日」7月19日号には“大勲位”中曽根康弘元首相と不破共産党前議長の対談が掲載された。

60年代から70年代の国会における二人の論戦は今の党首討論とは比較にならない深さがあった。対談の中で「核廃絶というのは人類としての良識ですね。米国大統領が言明したのは画期的なことだが、そこで共産党が米国と手紙の交流をやる。いいチャンスを狙ったね」と中曽根は言っている。

保守の論客が相次いで『宿敵』だった共産党と対論するような状況の出現は、東国原知事の人気頼みで総選挙をなんとか乗り切りたいなどという底の浅い今風自民の風潮に対する“正統保守派”の危機感の表れなのか。

「横浜市従」第1231号(2009年7月15日付)より

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