2009年8月6日(木曜日)[ トピックス ]

中田市長辞職に対する市従の見解

 ~任期途中の無責任・身勝手な辞任に抗議する~

 はじめに

  7月28日、中田市長は突然辞職しました。市長の仕事を途中で投げ出し、国政への転身に含みを持たせ、4年間の任期を約8ヶ月残した中での辞任は無責任極まりないものです。市民はもとより、言わば身内の職員や市議からも疑問の声ばかりが聞こえてくる状況に、「理由が全部伝わっていない。断片的にしか聞いていないのではないか。」と自らの正当性のみを主張する姿勢に相変わらずの責任転嫁体質を感じた人は多いと思います。
  
 今回の辞任劇は少なくとも以下の3点で大きな問題があります。第1に、4年間という市長の任期を全うしなかった点です。3年前の市長選挙において、中田市長は今後4年間の市政運営を市民から付託されました。私たち横浜市従の考えとは異なるとはいえ、市民の3年前の思いを軽く扱ったことは決して許されるものではありません。
  
 第2に、地方自治、地域における民主主義の実践の時間を市民から奪ったことです。総選挙と合わせて市長選挙を行うことで約10億円の経費削減ができると説明していますが、経費の節約と市長選挙における市民主権の行使を天秤にかけること自体がそもそもありえない発想です。
  
 第3に、職員の不満や現場のつらさに全く目を向けることなく辞めてしまった点です。今年3月発表された職員満足度調査の結果を受けて、改善の努力を行ったのでしょうか? また、総選挙と同日選が行われる結果、夏休みの暑いさなか、職員の負担がさらに増えたことに何の考慮もしなかったのでしょうか?
 
 さて、中田市長は今この時期に辞任する理由として、次の点を挙げています。いずれもとってつけたような理由ばかりで、特に6のインフルエンザなど、批判するまでもない代物もありますが、いくつかについては少し詳しくみていきます。
 
 1.新年度予算・人事異動などの行政運営を切れ目なく移行できること。
 2.開港150周年の関連事業が一段落し、APECなどに関連した機構改革も併せてスタートできること。
 3.市長選挙を単独で行うことに比べ、約10億円程度の大幅な削減が可能であること。
 4.総選挙と同時に行うことで、高い投票率が期待できること。
 5.今回、十分な日程をもって総選挙がセットされていること。
 6.冬場の市長選挙は新型インフルエンザの懸念があること。

 市長の職責を投げ出した責任
  仮に1及び2の理由が決定的な意味を持つのなら、国政含め、すべての選挙は8 月のこの時期にやる必要があり、概ね4月頃に実施されている現行の統一地方選挙のスケジュールそのものも見直さなければなりません。どのような不自由な状況であれ、新しく選ばれた市長は自らの知恵で独自の政策を実施していくものです。それが出来ないと半ば決めつけている彼の態度は、まさに上から目線そのものです。
  
 また、市税を約200億円費やした開国博Y150は、有料入場者数が7月の段階で目標の13%程度しか達成できておらず、中田市長は少なくとも9月27 日まで続く、同イベントの総括を行う必要があります。4年間という任期を全うし、Y150だけではありませんが、年度内の事業の総括を行うことは当然の職務です。市政を踏み台にして、たとえ任期途中でも国政への転身を図るという彼なりの既定路線は市民の目から見て、到底理解できるものではありません。

 地方自治を軽んじた態度
  地方自治体の首長として、3の理由は到底見過ごすわけにはいきません。横浜市は基礎自治体としては最多の約360万を超える人口を抱え、一般会計・特別会計合わせて約2兆6千億円にも上る財政規模の自治体です。市長選にあたり、候補者が決意し、政策を練り、市民に広く訴えていく時間を十分取ることが大切なことは言うまでもありません。今後4年間、計10兆円を超える予算に責任を持つ市長を選ぶ選挙はまさに、地方自治の実践の場でもあります。選挙費用を節約するためという発想そのものが、彼の地方自治軽視の現れだと言えます。また国政と同時でなければ投票率が上がらないという論理も同様です。今後の横浜市長選挙は必ず国政選挙と合わせてやっていくのでしょうか? 全く理解不可能な理由です。 
 

職員の苦労に最後まで目を向けない姿勢
  今回、総選挙と同日選になったことで、大幅な人手が必要となります。たしかに十分な日程をもって総選挙がセットされているかもしれませんが(理由5)、それを言うなら、任期満了で市長選を行うことで、まさに十分な日程をもって市長選がセットされることになります。全く意味不明な理由であり、夏休みのさなかに、突然の市長選対応を強いられる職員の大変さを理解できない、ワンマンぶりを遺憾なく発揮した辞め方だと言えます。
  
 さらに、今年3月に発表された横浜市職員満足度調査では、約60%の職員が「市長・副市長はトップマネジメントとしての役割を果たしている」との設問に「そう思わない」「あまりそう思わない」と回答しています。市長は任期最後の1年間、真正面から職員の不満を受けとめ、「トップマネジメントとしての役割を果たすこと」に全力を注ぐべきだったのです。それが市長としての当然の役目です。

  横浜市従は、中田流「構造改革」に反対する運動に取り組み、保育所民営化問題保護者裁判では、横浜地裁での勝利判決を勝ち取り、学校給食の民間委託・市立図書館の指定管理者導入、みどり税導入などに反対する運動では多くの市民の共感を得ることができました。町田市長選挙に端を発する一連のスキャンダルについても、徹底的な解明を追求してきました。そうした取り組みが中田市長を辞任に追い込んだのだということに確信を持ち、8月30日投開票の市長選挙をこれまでの「構造改革路線」の市政を転換させる最大のチャンスと捉え、市民サービス向上や職場を守る取り組みを強めていきます。

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