2009年9月7日(月曜日)[ 見解・資料 ]

横浜市長選挙の結果について

中田市政の継承を許さず、
     憲法と地方自治が息づく働きがいのある
        市政の実現めざす運動を引き続き進めます。

        横浜市長選挙の結果について
                    2009年9月2日
                  横浜市従中央執行委員会 

1、中田前市長の無責任かつ身勝手な突然の辞任によって行われた横浜市長選挙は、8月30日投開票され、林候補910,297票(得票率45.85%)、中西候補874,626票(得票率44.06%)、岡田候補200,283票(10.09%)の結果となり、民主党が推薦する林候補が新たな市長に選出されました。

 2、横浜市従は、1978年以来、市従も参加し、市長選挙を闘う母体となってきた市民の市長をつくる会が、ギリギリで候補者擁立の努力を続けたものの、結果として候補者擁立を断念する無念の判断を行ったことを受けて、8月13日の第1回支部代表者会議で、市従として特定の候補者の組織推薦を行わず、自主投票を基本的態度とする方針を決定しました。同時に市長選挙が私たちの要求実現の闘いとして重要な意義を持っていることを再確認し、「中田市政を転換させ、憲法と地方自治が息づく働きがいのある市政の実現」をめざす市従の立脚点を明確にした上で、組合員の政党支持・政治活動の自由を保障し、各候補者への公開質問と回答を職場配布する取り組みなどを通じて、総選挙の中で市政の問題・課題が埋没しないよう職場から政治論議が進められることを重視し情報宣伝・学習活動の推進を呼びかけてきました。

 3、7年4か月続いた中田市長は、「構造改革」路線に積極的に身を置き、大企業誘致や大規模開発を優先する一、憲法理念の否定にもつながる「社会的公正・公平」論を唱え、市民の暮らしや福祉に対する施策を次々と後退させてきました。また、民営化や民間委託化、指定管理者化による公務・公共サービスの市場化路線の推進、職員定数の大幅な削減と労働条件の切り下げを推し進めてきました。こうした方向が職員の働きがいを奪い、今回の市長選挙にあたってもマスコミがこぞって指摘した「職員の士気の低下」や6割の職員が「市長や副市長はトップとしての役割を果たしていない」とする「仕事満足度調査」結果にも現れているように市役所組織に否定的影響を及ぼしたことは明らかです。

 4、新たな市長に選出された林候補は、選挙公約の中で「主婦目線で市民の暮らしの充実を図る」ことを第1に掲げ、「子育て支援と高齢者福祉の充実に真っ先に取り組む」(8月21日の候補者討論会)とし、「市長によるタウンミーティングを定期的に行い、市民との意見交換をはかる」(市従公開質問への回答)として市民との対話重視の姿勢を示しています。また、「職員の賃金、労働条件等に関しては、市民に見えること、かつ職員の権利を尊重しながら、市民の理解を得られることを基本に十分な話し合いを進めていきたい」(市従公開質問への回答)、「ボトムアップの手法で職員のモチベーションを上げることが必要」(市民団体連絡会公開質問への回答)とし、職員との対話重視の姿勢も示しています。さらに民営化・民間委託化については、経費削減や効率化の必要性を述べつつも「『行政の公的役割』を明確にしながら公で進めるべきは進め、民の活力が有用であれば行政サービスの維持、向上を条件に進める」(市従公開質問への回答)とし、「基本的には」という前置きつきながら「保育所は公でやるのが最善と考えており、質の高い保育サービスの提供に向け、行政が責任をもって行うべきである」「図書館や医療機関などは指定管理者制度にはなじまないと考える」(いずれも横浜民 営化懇談会公開質問への回答)と中田路線とは異なる考えを示しています。
  しかし、一方で「経営者目線での財政再建」として、「トップセールスによる積極的 な企業誘致」や「グローバル目線での国際都市化」として、「年間150回以上の国際コンベンション開催」「羽田空港の国際化や港湾の機能強化」を掲げています。また、「『おもてなし』精神の行政サービス」の主張も新自由主義構造改革と結びついたNPM(ニュー・パブリック・マネージメント)の原理のひとつである「顧客主義」=市民を主権者ではなく顧客ととらえる考え方につながる危惧を持つものです。さらにアンケート回答を報じた8月24日付け朝日新聞の報道では、前述の内容と異なり「港湾病院の民間委託(=指定管理者制度)などに賛成に近い立場を取っている」「個々の政策では(最も)中田氏に近い考えを持っている」と報じられています。
 こうしたことは、中田市政の評価をめぐって立候補表明時には明言を避け、告示後は「立派な仕事をされたが、厳しい取り組みの中で落ちこぼれていった施策がある」と述べ、「負債を減らすなど一定の結果を残したことに関しては評価するが、やや強引な手法も見受けられ、職員のモチベーションが下がり、弱者に対して厳しかった感は否めない」(市従公開質問への回答)など今一つその立脚点が不鮮明なことと相まって、中田路線の継承につながる危惧を持つものです。

 5、横浜市従は、林市長が掲げた「市民の暮らしの充実」がどういう施策として具体化されるのか、市民や職員との対話の重視がどう進められるのかを今後見守るととともに中田市政の継承を許さず、憲法と地方自治が息づく働きがいのある横浜市政を実現する立場を堅持し、引き続き、職場からの団結を基礎に労働条件の維持・改善と「市民の暮らしの充実」の具体的施策に市民要求が反映されるよう市民との共同の運動を進めるものです。

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