2009年10月15日(木曜日)[ もし家族が認知症になったら ]

第9回「認知症の人の世界を理解し、人として大切にする」

法則について説明してきましたが、今回は第7法則の「認知症症状の了解可能性に関する法則」と第8法則の「衰弱の進行に関する法則」ついてです。

これまで、認知症の方には共通の特徴があることを例を挙げて見てきました。介護者からしたら、問題行動と思えることや、荒唐無稽と思える行動が次々と起こり、本人に振り回されたり、時には理解できずに、「何で!」と途方に暮れてしまいます。

不安だから 必死になる

ところが、老年期の知的機能低下や認知症の症状や特徴を考えれば、理解不能に見える症状のほとんどは、認知症の人の立場に立ってみると充分理解できるものであるというのがこの法則です。

例えば、夜中に急に目を覚まして、介護者を呼ぶことがあります。これが続くと家族には大変なストレスになります。これはなぜ起きるのか考えてみましょう。

認知症が始まると、時間や場所の見当がつかなくなり、いま自分が寝ている場所も時間も分からなくなります。目が覚めると、真っ暗でしーんとしてだれもいません。これは認知症の人にとっては非常に恐怖感を覚えます。それで、介護者の名前を呼んだり、不安で自分の家に帰ろうとしたりします。家族から見たら徘徊ですが、本人は必死です。

このような事態が続く時は、まず、自分の部屋だと分かるようにしてあげて、恐怖心を和らげることが大切です。部屋や廊下に電気を付けて明るくしておくとか、家族の声や好きな歌を録音したテープなどを流しておくと効果があるようです。そばで「だいじょうぶ」と手を握ってあげたりすることも安心感を与えます。

認知症の方の言動を理解するために、その方の過去の経験や生活歴、職業歴を知っておくことや、認知症の方の気持ちを理解する努力が大切です。

100歳でも なお元気

最後に第8法則。認知症の人の老化は非常に早く,普通の人の2~3倍の速度だということ。調査結果からも明らかと言われます。でも、家族の会の会員さんのお姑さんで、100歳でもなおお元気に過ごされている方もいます。「いろいろな症状がでたがいつもおばあちゃんの立場で介護してきた事がよかったのかしら」とその会員さんは話していました。ストレスを与えない介護を実践されてきたということでしょう。ある時点からいとおしくなってきたとも言っています。

認知症の人の世界を理解し、人として大切にする。このことが1大原則です。

あとの2回は、上手な介護についてお話していきます。お楽しみに。

「横浜市従」第1236号(2009年10月15日付)より

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