2009年9月15日(火曜日)[ もし家族が認知症になったら ]

第8回「こだわりについて」

今回は第6法則「こだわり」についてです。一つのことにこだわるといつまでもこだわり続け、同じことがず~っと続くので、介護者にとっては、やっかいでイライラします。一度こだわりが起きるとなかなか収まりません。

地域ケアプラザの家族会でデイサービスのスタッフが「つばをやたらに吐きます。私たちスタッフは、認知症だから仕方がないと思っているのですが、利用者の人たちが汚いと、嫌がります。何がキッカケでそのような行動が起きたのか分からないし、いろいろ説明したり、やめるように促してもおさまらなくて困っています」。また、他の家族は「42歳の息子ですが、薬にこだわりがあって、飲んだのにまた飲む、薬がなくなったと言っては,朝の4時くらいから病院に行きます」、というように人によってこだわりはさまざまです。止めさせようとすると、かえってこだわりが強くなってしてしまう場合もあります。一旦、出たこだわりはなかなかなおりません。

それでも不思議と必ずなおる

家族懇談会で「でも、必ず直るのよ。不思議と。そしてまた新しいこだわりが出てくるの」と経験者の家族はみなさん、そういいます。その期間がいつまで続くかが介護者にとっては大きな問題ですが……。

つばは吐いたら何気なく、すぐ拭き取る。薬の飲み過ぎは、家族にとっては心配ですが、でも、飲まないように薬を隠したりすることは逆効果です。主治医と相談して、いくら飲んでも大丈夫なお薬を処方してもらいましょう。そのこだわりがあっても、何も問題がないのならそのままにしておくことです。

入浴しなくても死にはしない

「お風呂に入りたがらない」悩みは、家族懇談会でよく話題になります。その人の過去を知る事で、今のこだわりが納得できる場合もあります。昔はお風呂に何日も入らなかったとか、人前で裸になる事に抵抗があるとか。「孫が誘ったら素直に入った」とか、「明日は病院だから入って!」というと「じゃ、入ろうかね」とか成功例もいくつか出ます。でも、「お風呂に入らなくっても死なないから」の発言に落ち着きます。

先手を打っておくことも効果的です。「財布がない。盗られた」とお金へのこだわりがでてきた場合、介護者は、ことお金の事なので、冷静ではいられません。カッカして「何言ってるのよ。自分がしまい忘れたのでしょ!」などと言っては、認知症のご本人は逆上するばかりです。同じような財布をいくつか買っておいて、「ここにありましたよ」などと工夫してみましょう。

繰り返しますが、一つのこだわりは長期間、続かないと割り切りましょう。

「横浜市従」第1234号(2009年9月15日付)より

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