2009年12月7日(月曜日)[ トピックス ]

市立保育所民営化保護者裁判・最高裁判決

東京高裁判決を覆す、実質的な勝利判決

11月26日に最高裁判所にて市立保育所民営化保護者裁判の判決が言い渡されました。
 判決主文は「上告棄却」でしたが、理由では「特定の保育所で現に保育を受けている児童及びその保護者は、保育の実施期間が満了するまでの間は当該保育所における保育を受けることを期待し得る法的地位を有する」ことを認め、保育所を廃止する条例改正は特定の保育所に入所中の児童・保護者に対し、直接、法的地位を奪うものなので、「行政庁の処分と実質的に同視し得るもの」としています。したがって、保育所を廃止する条例改正は抗告訴訟の対象となる行政処分となるので、東京高裁の「制定行為の取り消しを求める部分を不適法として却下すべき」とした判断には「法令の解釈適用を誤った違法がある」と明言し、東京高裁判決を覆す、実質的な勝利判決となりました。
 この判決理由によれば、横浜市の保育所の民営化がこの法的地位を侵害するもので、少なくとも法的地位を最大限尊重した対応が必要であり、民営化を前提とした事業の進め方など児童・保護者の合意形成を無視した対応は違法な行為となります。また、一般的に条例の制定行為は、抗告訴訟の対象となる行政処分には当たりませんが、特定の保育所を廃止する条例は、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるとしたことは、計画段階での取り消し訴訟を認めるなど、この間の抗告訴訟を広く認める流れに適ったものとなっています。
 「上告棄却」の理由は現時点では当該の児童がすべて卒園してしまって、「取り消しを求める訴えの利益は失われた」からとし、東京高裁の結論のみを是認しました。
 市立保育所民営化保護者裁判は、06年5月に横浜地裁で「04年度の横浜市の民営化は違法」との判決が出され、横浜市が控訴。二審の東京高裁では、09 年1月に「保育所の廃止条例の制定は、取り消し訴訟の対象となる行政処分に当たらない」とする門前払いの判決が出されました。保護者らは直ちに上告し、最高裁で闘っていました。
判決文はこちら

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