2010年2月15日(月曜日)[ コラム「しじゅう」 ]

無縁社会と労働組合

1月31日に放送のNHKスペシャル「無縁社会、無縁死3万2千人の衝撃」を見ました。

地縁も血縁も社縁もないという無縁死。その数3万2千人は、引き取り手が無いため08年度に自治体が埋葬した数。98年以来、年間3万人を超える自殺者に匹敵する数です。番組は、氏名・身元不詳で孤独死した男性、定年退職し会社と無縁になり孤独死の不安から老人ホームで暮らす元会社人間、仕事と介護に追われて齢を重ねた生涯未婚の女性を追います。地域や親戚付合いも疎遠なわが身にも他人事ではありません。

番組は、無縁社会の背景や原因を語りませんが、人間関係の希薄化・無縁化が進んだのはいつ頃からか、何故なのか、1人語らい考え込んでしまいました。

新世紀を理由に年賀状をやめたその真相は“わずらわしさ”…思いはめぐり、キーワードは“ゆとり”に行き着きました。金銭的・時間的・精神的なゆとりです。

この世は利潤追求の資本主義社会で労資関係が基本軸。資本に対する労組の力や社会的規制が弱まれば、低賃金、過密・長時間労働の進行は必定。今や日本の青年、日本の女性の2人に1人が非正規労働に追い込まれています。

こんな国は異常というしかありません。金も時間も無い、自分のことだけで手一杯、となれば、金や時間がかかる人付き合いを避けるのは道理で、生涯未婚が増加するという番組予想も納得です。人間は1人では生きていけません。心が通う協力・協同関係なしには安住もできません。「雇用の多様化」「成果主義」「自己責任」だと競争をあおり、低賃金、不安定雇用労働を蔓延させる資本の論理にあらがい、金銭的・時間的・精神的ゆとりの実現をめざす労働組合運動の前進が求められています。

「横浜市従」第1243号(2010年2月15日付)より

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