2010年3月9日(火曜日)[ 見解・資料 ]

2010年度予算案について

公約としての「保育待機児童の解消」など市民の暮らし充実への対応は実施するも、民営化・委託化のさらなる推進と職員負担増、企業誘致・大型開発は温存

2月4日林市長は次年度の予算案について発表しました。選挙の公約がどのように実現されるのか注目すべき林市政初めての予算案となります。10月に出された予算編成方針の時点で、「①市民の暮らしの充実 ②現場目線でぬくもりのある行政サービス ③環境問題への更なる取り組み ④国際都市の推進、経済の活性化 ⑤財政再建の「5つの方向性」で①聖域を設けず ②「子育て・医療・教育」「福祉・危機管理・地域自治」に重点を置く」とした方針に、市従は、「市民生活に直結した①②の方向性に重点を置いた市政運営を目指すものであり大いに評価し期待するものです。」との見解を出しました。公表された資料は市として強調したい特徴点を概要的に説明したものですが、現時点での市従としての見解は以下のとおりです。

1.予算増額も保育所売却し民営化の流れは変わらず
10年度の予算はすべての会計で前年度を下回る予算となっています。一般会計のうち義務的経費が初めて50%を超え、いわゆる財政の硬直化が進んでいると言わざるを得ません。
 
しかしそんな中でも、林市長の公約である保育待機児童の解消と、安心してこどもを生み育てられる環境への施策、地域ケアプラザの整備復活等、高齢者や障がい者(児)支援の取組へ予算を増額する編成となっています。こどもや福祉の予算を増やす方向性は評価できますが、保育所の定員増はすべて民間施設の増であり、公立保育園の売却を中止するなど民営化の流れをやめたわけではありません。

2.業務の担い手を非正規や委託に置き換え予算削減 
 公的責任放棄し、安定した雇用対策に逆行
職員定数は、生活保護世帯の急増や、方面別学校教育事務所の設置による人員増などにより、増員となる職場も出ていますが、目標数値以上の削減をしていながら、財政危機を理由とした経費削減のためにさらに203人の削減としています。業務がなくなり削減したのではなく学校給食の民間委託20校、市長が「なじまない」と言っていた山内図書館の指定管理者導入、家庭系ごみ収集体制の委託化などその多くが、業務の担い手を、非正規の嘱託職員や業務委託による不安定雇用の民間労働者に置き換えることなり、「官製ワーキングプア」を生み出し、本来自治体がなすべき公的責任を放棄し、安定した雇用対策にも逆行するものです。
 
また、次年度に向けては、職員定数削減による予算の削減ができなかったこともあり、超勤予算を50%(▲12億9300万円)カット、さらには労使半々で出資している厚生会事業の補助金を3億6900万円削減するなど労使協議を軽視したものと言わざるを得ません。
 超過勤務削減は、私たちの要求でもありますが、ぎりぎりの人員をさらに削減されている現状からは、サービス残業を強いられる職場の増大が懸念されます。そういったことが起きないよう監視を強めていくと伴に、「ぬくもりのある市政実現」の担い手である職員のモチベーションが向上するよう、人員に見合った業務配分となることを求めるものです。


3.委託料の削減は労働者の賃金の抑制につながる
毎年90億円以上の事業見直しによる縮減をおこない、業務委託や民間化、嘱託職員の導入による大幅な職員定数の削減と、受益者負担の適正化として公共料金の値上げ等、住民負担増を行なってきました。次年度に向けては、しごと改革推進室による個別事業に対する指摘が予算編成方針と同時に出され、(横浜版事業仕分け?)29億円の削減を合わせて122億円の削減が行なわれました。公共料金の値上げは出されていませんが、各種助成金補助金の削減等が、職員や住民の地域活動に及ぼす影響などは不透明な部分もあります。
 委託料の一方的な削減で、委託先や指定管理職場の労働者の賃金がさらに抑制されることも懸念されます。「現場目線で」本当に事業見直しが行なわれたのでしょうか? 2月から実施された、市役所・区役所駐車場の有料化などもそうですが、実際に体験しないと市民からの声を聴くことはなかなかできません。実施された見直しであっても現場からの声を大いに上げていく必要があります。
  
4.将来の大きな負担となる大型公共事業は見直さず
 地域活性は福祉・医療・教育分野の公共事業を地元中小業者にでこそ
 
公共事業などの「施設整備費」が一般会計に占める割合は、12.3%(対前年度17.8%減)となっていますがこれは国の政権交代による公共事業の削減や、戸塚駅の再開発工事など大きな事業が進捗したためであり、国が負担すべき羽田空港の再拡張事業へ12億円無利子で貸し付け、横浜駅周辺大改造16億円、高速横浜環状道路整備77億円、スーパー中枢港湾推進58億円、新市庁舎建設など大型公共事業を見直したものではありません。財源の性格から公共事業を見直し、その予算をストレートに福祉・医療の充実の施策などにまわすことにはなりませんが、将来市民へ大きな負担となる事業は継続し進めています。
   
 特別養護老人ホーム・市営住宅などの建設も公共事業ですし、今年度は維持したとしている
地元中小業者に発注する公共事業を増やしていくことこそ、「生活のおおきな安心を実現させ」「市内経済を支え、地域の元気を生み出す」ことにつながるのではないでしょうか。
    
 
 
横浜市従は、引き続き
「横浜市で働いてよかった」「横浜市で暮らしてよかった」と思える予算編成を求めて奮闘していきます。
 

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