2010年2月15日(月曜日)[ たばこ病のない世界を・・・ ]

【第1回】連載にあたって

たばこと健康をめぐる問題が急激にクローズアップされています。政府がたばこ税の増税は「健康問題の観点からだ」と主張したり、神奈川県がこの4月から条例を施行するなど、枚挙に暇がありません。厚労省の発表でも、喫煙を原因に毎年20万人以上が死亡しています。

市従は労働組合として、組合員の健康と生命を守るという当然の使命を担っています。

市従の元委員長である水野雅信さんは、「横浜たばこ裁判」の原告です。水野さんの闘病生活や裁判を通じての体験や思いを語って頂きます。これを通して、喫煙についての見識や議論を深める機会が提供できれば幸いです。

「横浜市従」編集委員会より


連載にあたって一言ご挨拶いたします。いつもご支援いただきありがとうございます。

僕は92年から98年まで市従の委員長でした。しかし皆さんに選ばれたプロとしての仕事ができなくなり、99年57歳の時、夏の大会をもって組合専従を退職しました。

組合員、働くものの労働条件だけでなくその前提の「生命と健康を守る」立場でありながらその任務を果たせず、タバコ依存にとらわれ重度の肺気腫患者となり、自分の身体まで壊してしまいました。申し訳なく又悔しい思いで一杯です。

横浜地裁では05年2月WHOタバコ規制枠組み条約の発効に触れ、賛成した政府のあまりに遅いタバコ政策の転換に言及あるものと期待していました。

判決は、「たばこが、肺がんの極めて有力な原因の一つであり、肺気腫のリスクを著しく高めるものであること、また、…たばこの依存性は決して軽視することができない程度のものであることを認識しながら、その製造販売を継続してきた…」(判決文)とタバコの有害性・依存性を認めました。

これは当然僕ら原告勝訴でなければなりません。しかしわざわざ僕が禁煙した93年9月までに限って言えばタバコ会社が有害性を認識していたとは言えないとか、古くからの風俗、習慣で社会的に許容されていた等の理由を付け、支配者側の言い逃れの常套句「自己責任論」まで持ち出し、原告の訴えを退けました。

これはアンモニアと砂糖を添加することで少ないニコチンでも即座に脳に達しニコチン依存を強め、生涯吸い続けるように仕向けているたばこ会社JTの悪魔の商法をあえて免罪し、原告を「自業自得」に貶しめて、敗訴させる理由の1つに使ったものです。

餃子に毒があれば次の日は誰も買いません。同じ毒物でもタバコは依存でやめられず、いまだに2600万人以上の国民が喫煙者です。日々喫煙者、受動喫煙者が2千人近く病気に追い込まれている状況は大変なことと言わざるを得ません。

「横浜市従」第1243号(2010年2月15日付)より

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