【第2回】東京高裁に控訴
喫煙を原因に、年間20万人以上が死亡しています。これを365日で割ると1日548人になります。
「毎日、ジャンボジェット機が日本国内で墜落し全員死亡」
といったら分かりやすい、異状かつ深刻な事態ではないでしょうか。
横浜地裁は判決で、僕が禁煙した「1993年9月までに限って言えばタバコ会社が有害性を認識していたとは言えない」とか、「古くからの風俗、習慣で社会的に許容されていた」等の理由を付け、支配者側の言い逃れの常套句「自己責任論」まで持ち出し、原告の訴えを退けました。
またこの期間を区切った意味は、原告のうち森下原告が喫煙を始めた47年から水野原告が禁煙した1993年までと一見合理的に見える期間に限定して、タバコ会社の違法性とその認識を審理する期間を提訴時の12年以前という過去の期間に限定し昔話にしてしまったことです。
3人の原告が裁判提起しその審理を求めたのは2005年であり、その時点を含む苦しみに対する損害賠償請求、自動販売機での販売禁止、警告表示の強化です。
切なる陳述を繰り返してきた原告の苦しい闘病生活等に目を向けず、その原因を作ったタバコ会社の違法性に審理の焦点が行かないようにするため、敢えて期間を設定し、禁煙後も発病する現実を無視し、僕が現役で仕事をしていた12年以前として扱った不当性は国民を欺くからくりであり、認められません。
弁護団が徹夜を続けてまとめた準備書面や毎回の口頭弁論の努力を全く無視し、度外視するに等しい不当な対応です。
しかし、弁護団の論証ですでに93年の時点でも、タバコの有害性とタバコ病患者の苦しみをJT・国は重々承知していたことは、はっきりしています。それにもかかわらずJT・国という加害者を逃がし勝訴させ、逆に被害にあっている原告・患者を救うことを避け、国民の生命権と健康権という基本的人権を踏みにじったことは受け入れられません。
この不当判決は最終段階で最高裁から送り込まれた裁判官達による原告・国民の「公正判決を受ける権利」をも投げ捨てる、始めから敗訴を前提とする判決と言わざるを得ません。
「横浜市従」第1245号(2010年3月15日付)より




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