2010年5月15日(土曜日)[ たばこ病のない世界を・・・ ]

【第4回】自己責任論の壁を越えるとき(2)

4月から神奈川県受動喫煙防止条例が実施され、大きなホテル、レストラン等が次々禁煙となりました。

タバコの煙は、吸わない人にも深刻な害を及ぼすので、人の集まるところは、罰則をつけてでも禁煙にする必要があったのです。

喫煙と受動喫煙は、生命・健康にかかわる重大かつ最大のテーマです。国民的共通認識にしたいものです。

職場の受動喫煙で毎年1万~1万5千人が死亡、2~3千人の低体重児出産があると推計されています。

今年3月、禁煙学会などが厚生労働省副大臣に直接会ってこの数字も示し、罰則付き「受動喫煙防止法案」を提出しました。

政府、JTが、国民の生命を縮める毒物を「嗜好品」と称し、「警告」表示すら逆手にとり「心配ない」と思わせるだましの宣伝にすり替え、販売を続けてきた責任は途方もないものです。

喫煙者の9割はタバコの依存や毒性を認識できない、言われてもピンとこない10代で喫煙を始めています。後で分かっても「分かろうとしない、分かりたくない」と思う依存症特有の心理になりやすく厄介です。

4月30日の毎日新聞に済世会栗橋病院副院長の本田宏医師は「10万人あたりの原因別死亡推計1位は能動喫煙が3万7千5百~5万人、2位受動喫煙(家庭内)5千人、自動車交通事故は3位ですがぐんと下がって480人とありました。

一方厚労省の受動喫煙対策費4100万円(06年)に対して陸上交通安全対策費は1兆7351億円(07年)」と指摘しています。

タバコ病関連死がダントツの1位・2位なのに対策費はスズメの涙とは、タバコの問題は自己責任論の立場にあるからでしょう。タバコ問題は自業自得、自己責任などといって放置すればこの国を滅ぼすことにならざるを得ません。

最近亡くなったヘビースモーカー(敬称略)には井上ひさし、阿久悠、藤田まこと、三遊亭円楽、森繁久弥、玉置宏、木村拓也、立松和平、植木等など。

まだやるべきこと、したいことを残し、がんやCOPDなどで、思いもよらずに倒れ、力尽きてしまった喫煙者の身内や友人がいる方も多いことでしょう。

僕は、かつてはハードな日程をこなし、本部書記長、委員長などの任にも耐えました。51歳で禁煙。しかし、4年後、重篤な肺気腫・喘息発作で3か月余の入院。それから12年間23回の入退院となりました。喘息で4回の危機、人工呼吸器を2度経験、気胸で3回胸膜に穴をあけて脱気し、幾種類かの肺炎に苦しみました。

いま命をつないで、なお命ある限り、微力でも、酸素ボンベ付のこの身体をさらし、息苦しく、声もかすれていますが、話し、書ける間はタバコの害を訴えたいと思います。

「横浜市従」第1248号(2010年5月15日)より

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