2019年4月18日(木曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第151山】箱根大文字山 924m(神奈川)「梅雨時こそ狙い目」

箱根の強羅や宮城野からお盆の夜空に浮かび上がる大の字。箱根大文字焼きである。京都など他の大文字のラインが1本なのに対し、ここでは二重線つまり太字なのが最大の特徴だ。その大の字が描かれているのが明星ヶ岳、通称:大文字山である。通常は見上げる大の字を足下にしようというのが、ここのハイクの売り。旬はズバリ梅雨時と言っておこう。

登山電車で強羅へ。駅前から山頂直下の大の字が望める。一旦谷底に下り、単調な登りが始まる。展望も一切なし。それが突然開けて一挙に大の字に跳び出す。文字エリアの樹を刈り払ってあるので展望が抜群なのである。急斜面に展開する強羅や宮城野の町並が手に取るよう。一直線をゆっくり登って行くのはケーブルカーだ。背後には神山など箱根の中央火口丘群、さらに外輪山の金時山など山の眺めもバッチリ。しかし展望よりも大の字を感じ取ってみたい。二重線ならではの幅広の刈り込みが、三画から成る大の字の何処を構成しているのか。アザミなど咲いていて少々ヤブっぽいが、是非探勝を。

稜線に上がると防火帯になっていて刈り取ったシノダケ(笹の一種)が一面に敷き詰められている。これを焼いて、大の字の火の元にするのだろう。大文字山のピーク自体は突出したものではなく神社が祀られている。後は下りが主体、6月ならヤマボウシの白花に目を奪われる。そして歩く間の終始、登山電車の警笛やブレーキ音が聞こえるのが何とも楽しい。谷を挟んで線路と平行に下る尾根ルートならではだ。

やはり展望の無い穏やかな塔ノ峰を経て、一気に山麓の阿弥陀寺に下る。ここは多数の石仏像と紫陽花で有名。寺から急坂を下れば塔ノ沢、そのまま温泉(箱根湯寮ほか)に入ってさっぱりできるのもこのコースの売りだろう。

さして展望の開けるチャンスの少ない山だから、ガスっていてもさほど惜しくはない。登山電車の音を楽しむ分には、見通しは関係なし。どんなに蒸し暑くてもそのまま温泉ドボンでリセット。そしてなんと言っても、線路脇や阿弥陀寺では紫陽花が絶好調……「梅雨時こそお勧め」の理由が目白押しなのである。

◆おすすめコース
強羅-大文字山-塔ノ峰-阿弥陀寺-塔ノ沢(4時間:初級向け)※小雨位なら決行できるが、足元が滑り易いので要注意

1537-1

大文字からの展望、霧の流れも梅雨時ならでは(上の画像をクリックすると大きく表示します)

◆参考地図・ガイド ◎昭文社:山と高原地図30「箱根」

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