野毛山闘争から公務と労働運動の大切さ学ぶ 青年部連続学習交流会

市民と守った動物園

 住民本位の「良い仕事」をするために、自分たちの仕事に引きつけて市民の権利を学びたいとの思いから始まった青年部連続学習交流会の第3回目が7月7日に開催されました。

 「見てみよう!市民と守った動物園」と題した最終回は、野毛山動物園をフィールドワーク。80年代後半にあった野毛山動物園廃園の危機を、横浜市従は市民とともに闘い、動物園の存続を勝ち取りました。そんな市従の運動の最前線で闘い抜いた動物職の森角興起さんを講師に招き、学びを深めました。

 動物園の歴史や動物の説明を聞きながら園内をめぐり、飼育員の仕事内容も紹介。学習会では、当時配布したビラ等の資料も配られ、闘争を振り返りました。

 参加した若手組合員からは、「野毛山動物園の価値を改めて感じ、公立で運営することの意義を感じることができた。自身の仕事をしていく上でも大きな糧になる」「先輩組合員の奮闘があったから今があると、感謝の気持ちでいっぱいになった」「労働運動の大切さを学ぶことができた」との感想とともに、「動物園の裏側の話しも聞けてよかった。ペンギンがうんちとオシッコを同時にすることを初めて知った」と、動物職の講師ならではの裏話も好評でした。

 野毛山動物園の闘争は、横浜市が野毛山動物園を廃園にするとの考えを示し、それに反対する運動を市民とともに巻き起こしたものです。「野毛山動物園を愛する市民の会」を結成し、シンポジウムの開催や一万人アンケートの実施、商店街等での署名宣伝行動で100万人の署名を集め助役に要請、毎週の置きビラ、集会、48時間座り込み等を行いました。市民の財産としての直営の動物園を守りたいという私たちの要求が、市民をまき込んだ社会的な運動として大きく発展した、市従三大闘争の一つです。また、この市民運動を通じて、動物職の欠員補充までもが実現しました。

 横浜市では動物職の新規採用は現在行っておらず、出向という形で市の動物職の職員が派遣されています。森角さんからは「今後、動物園が社会的な役割を果たしていくためにも、正規の動物職の採用が必要なのではないか」と公務労働のあり方が投げかけられました。

 実行委員からは、「参加動機が〝動物園だから〟という人が多く、動物園の親しみやすさを感じた。子ども以外にも行き場のない学生や大人が動物に癒しを求めて来園する。無料かつ誰でも受け入れるという公共施設ならではの役割を認識した」と感想が語られ、市民の権利を守ることと働きがい、労働運動の担う役割を改めて感じるものでした。