住民とともに地方自治を考える  神奈川自治体学校

 日本国憲法の公布から73年となった文化の日の翌11月4日、「憲法をいかし、希望ある地域と自治体をめざそう」をテーマに、神奈川自治体学校が開催されました。

 NPO法人ほっとプラスの代表理事であり、聖学院大学客員准教授の藤田孝典さんが「形骸化する生存権保障と貧困問題」と題して講演しました。

 藤田氏は、日本の相対的貧困率が15・7%とOECD加盟国中6番目に高いこと、男女とも現役世代の貧困率がおよそ20年間上昇していること、高齢期は誰でも貧困に陥る可能性があることを紹介。最大で80%くらいあった労働分配率が現在では60%台に低下しているという、その背景を説明し、労働組合の役割の重要性を強調しました。

 つまり、労働組合による社会的規制が弱まると、賃金・一時金・法定外福利厚生・社宅・企業が独自に用意していた子ども手当等が削られ、利潤が株主配当と経営者報酬ばかりに回るようになり、格差と貧困がひろがるということです。

 午後の分科会では、「AIと公務労働」「高齢化社会の交通問題」「日米地位協定と神奈川の基地」など、住民生活に関わりの深い7つのテーマに分かれて、参加者が討論しました。