2020年1月6日(月曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第165山】城山(伊江島タッチュー)172m(沖縄県)「鍋蓋ツマミの大パノラマ」

 沖縄本島北西部の本部半島向かいに浮かぶ島が伊江島である。沖縄戦で本島以外では最大の激戦地となった所で、民間人の死亡率は本島を凌ぎ、実に3人に1人が亡くなった。今なお島の西部は米軍の支配エリアであり、住民の平和意識は本島以上に高い。

 対岸から島を眺めると殆ど扁平で平坦、そのど真ん中に全体印象とは真逆の岩峰が屹立する。これが城山で立塔とも呼ばれ、島全体が鍋の蓋なら、蓋のツマミが山というなんともユニークな、一度見たら忘れられない光景となっている。古い岩盤が新しい岩盤(伊江島全体:石灰岩質)に潜りこむ中で、一部(城山)が剥がれて乗り上げた、オフスクレープ現象という世界唯一の地質形成なのである。遠目にはクライミング技術でもないととても登れそうにないが、階段が整備され極論すればサンダルでも登ることができる。

 まずは本島側の本部港から1日4便のフェリーで島に渡る。船上から目指す城山がだんだんと大きくなっていくのが興奮を掻き立ててくれよう。山の中腹まで車道があるが、是非とも港から山頂まで歩きたい。山麓までは車道の緩い上り坂を歩いて行くのだが、時折姿を見せてくれる城山がだんだんと大きくなっていくのが嬉しい。中途に「芳魂之塔」があり戦闘員と民間人が合祀され、戦没者名が刻まれた石碑が並ぶ。しばし合掌。背後には、ぐんと近くなった城山が悠久変わらぬ姿を見せる。

 登山口からは急になり、中腹が車道終点と駐車場になっている。ここからは更に急登で階段の段差も大きいがゆっくり登って行けばよい。山頂は一木もない岩山だからパノラマは360度。楕円の島地形に畑や町がパッチワークのように配され、その周囲はもちろんすべて海。地質同様に展望もここのオンリーワンであり、爽快極まりない。

 本島に戻ったら、是非にも美ら海水族館に寄って欲しい。イルカのショーが見られる「沖チャン劇場」(ここだけならタダ)では、観客席の正面に伊江島が堂々横たわっているのである。空中へ高く跳び上がるイルカと背後の城山が重なって、登った身にはなんとも嬉しくなってしまうのだ。

◆おすすめコース
伊江港-城山-駐車場(1時間:初級向け)※島内はレンタサイクルも良いが、夏場は登山を含め避けた方が無難。

フェリー船上からの伊江島と城山 ( 上の画像をクリックすると大きく表示します )

◆参考地図・ガイド◎「地理院地図」で検索して伊江島周辺エリアをダウンロード。現地パンフも良い。 

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