2020年3月3日(火曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第168山】二子山208m(神奈川県)「三浦随一の三山縦走」

 三浦半島の山と言えば、独特の細密地形から成る細々とした高みの連なりばかりで、ガツンと登ってドカンと下るようなルートに乏しい。そんな中で相対的に上り&下り甲斐のあるルートが、上二子山、下二子山、阿部倉山の三山縦走だろう。

 まずは阿部倉山を目指す。アプローチの車道歩きからは、大きくまろやかな山容が正面を占め、登高欲をそそられる。ただ、早くからハイクコースとして知られた二子山に対し、元来の阿部倉山は鬱蒼としたスギ林に覆われた地味山で、登る人は限られていた。その故か登山口が極めてわかりにくく「ここでいいの?」と心配にもなるが、ほどなくはっきりする。山頂へは分岐からピストン、展望ゼロで期待薄の筈が……一帯は一新していた。

 地元のボランティアグループが、阿部倉山を誰もが登れる楽しい山にしようと数年前から画策。地権者の了解を得た上で、富士山の見える展望広場はじめ、桜や紅葉の名所にしようと精力的な活動を行っているのである。わかりにくい登山口もいずれ解消されるという。かつての地味山が自然豊かなままに華やかになっていく様子は、まな子の成長を見届ける様で実に嬉しいではないか。

 分岐に戻り二子山へ。一旦下ってから、ロープもある急登になり下二子山に登り着く。展望は無いが照葉樹に覆われ、林床にはアオキが繁茂する。森に包まれた穏やかさが何ともいえない。そして三山のラストは上二子山。せっかく登った下二子山から50mを下り、同じだけ登り返す。文句は言うまい、これが縦走だ。なにせ両二子山間の落ち込みは、遠く宮ヶ瀬湖畔の山上からでもくっきりと目に映るほど。三浦の山々の中で、一番のギャップ感を誇っているのである。

 上二子山の山頂ムードは下二子山とは文字通りの真逆。明るく開け、みなとみらい始め、横浜や東京方面の眺めが素晴らしい。山頂にNTTの巨大な電波塔が立っているが、広い故かさほど気にならないし、展望台も心地いい。顔は似ていても性格は正反対の二子の兄貴達と、近ごろ自分磨きに目覚めた妹と。三浦随一の三山は、個性派兄弟の連なりなのである。

◆おすすめコース
新逗子駅-長柄-阿部倉山-二子山(2時間:初級向け)※上二子山から先は、そのまま葉山アルプスを歩くも良し、森戸川源流部に下るも良し。

左が上二子山、右が下二子山 ( 上の画像をクリックすると大きく表示します )

◆参考地図・ガイド ◎『鎌倉&三浦半島 山から海へ30コース』東京新聞

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