新型コロナ 突然の休業・休館

安倍晋三首相により要請された全国一律休校。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ目的と説明された要請に端を発し、横浜市長は「市民利用施設も、福祉施設など一部を除き、原則閉館」を決めました。一方で、開所を求められた学童保育は指導員の確保や衛生対策、経営環境の厳しさに直面し、悲鳴をあげています。図書館からも、どこまで住民に寄り添った対応ができるのかという職員の苦悩が聞こえてきます。寄稿は3月8日付。

学童現場の悲鳴「子どもの安全な生活を保障したい」

 横浜市内の学童保育では、安倍首相の「学校休業要請」のニュース報道と、その後の市子ども青少年局の要請に応えた形で、各クラブ保護者と指導員がぎりぎりの調整を行い、朝からのクラブ開所を模索しました。

その結果、横浜市内の学童保育では3月3日から一日保育を行っているクラブが大部分です。市内の学童保育は、現在補助金事業で施設も不十分、人件費も運営費も足りないのですが、その約半額が保護者負担になっています。

「不十分な施設で感染のリスクを背負って開所してよいのか?」との疑問や「何かあった時の責任は事業主である運営委員長なのか?市なのか?国にあるのか?」等々、様々な心配や不安がありながらの開所となりました。

 現場では、◆マスクや衛生用品が不足しているので、なんとかしてほしい。◆財政難の中での開所を迫られ、人件費が不足している、全額支給してほしい。という要望が多く聞かれます。

また、面積と耐震基準の未適合クラブは、3月31日までに移転や分割を済ませ基準適合させなければなりません。感染症流行の影響でリフォーム工事が遅れる恐れがあるとの連絡を業者からうけているクラブもあり、心配は尽きません。市や区役所はそれぞれのクラブの状況を把握して、援助の手を差し伸べてほしいと思います。

 「留守家庭世帯の就労を保障し、子どもたちの安全と安心を守る」という学童保育の社会的役割が、今回の騒動で浮き彫りになっています。自治労連学童保育全国連絡会は国に対し「人件費の補助を増額してほしい」「衛生面、安全面での対策を早急に行ってほしい」等の訴えをしました。横浜市も子どもたちの放課後を守る学童保育がより充実できるよう、市の予算の増額をしてほしいと思います。

図書館休館 「住民に寄り添った対応どこまで」

 図書館ではもともと3月に予定していたイベントはほぼ中止になっていましたが、3月2日(月)から15日(日)まで予約本の受け取りと返却のみでの部分開館となりました。館内での閲覧はできず、カウンター業務のみです。はまかぜ号(移動図書館)も同じです。

休館も、返却や予約本の受け取りで市民の利用が絶えない中央図書館

 基本的には本についてのお尋ねなどのレファレンスは窓口では受けないことになっていますが、知らずにいらっしゃる利用者の方も多く、どこまで対応するか悩ましいところです。学校が休みになったことで「〇年生の子ども向けになんでもいいから6冊」というご依頼もあり、図書館側でおすすめの本をご用意することもあります。電話での問い合わせは多く、予約の件数も増えているので、意外と慌ただしい日々です。

 女性職員が多い職場なので、学齢期のお子さんがいる方が困っているのではと心配です。16日(月)の休館日を経て、そのあとどうするかは検討中です。早く通常通り開館できるよう祈るばかりです。