カジノ住民投票 署名16万8000人分超える

各区で署名簿の交換を行い、最終集約へ(11月9日)

カジノを中核とするIR(統合型リゾート)誘致の賛否を市民に問う「住民投票条例」の制定を目指し、横浜市従も参加する「カジノの是非を決める横浜市民の会」(以下、「市民の会」)は9月4日から、条例制定を求める「直接請求署名」の署名活動をスタートしました。地方自治法で定められた署名期間を11月4日に終え、住民から寄せられた署名は16万8518人分(11月9日集計速報値)に達しました。

市長 住民投票をして、反対が多かったという結果が出れば、遵守すべきだと考えております。
記者 それはすなわち誘致を撤回するというふうに捉えていいのか。
市長 わたくし個人としてはそうですね。そういうことになりますね、結果はね。

10月28日定例記者会見

 市民の会は集めた署名を13日に各行政区の選挙管理委員会へ提出しました。市の選挙管理委員会は有効な署名が法定数(6万2541人分)以上あるか署名簿の審査をおこない、必要数を確認できれば、請求代表者が住民投票の実施を請求します。請求がおこなわれると、市長が意見を附けて市議会に住民投票条例案を付議することが地方自治法に定められています。条例案が可決されると、60日以内に住民投票がおこなわれます。

世論が変えた市長の態度

 林市長は昨年8月に誘致を表明して以降、住民投票に否定的な発言を繰り返していました。しかし、署名期間の経過とともに日々積みあがってゆく署名を前に、民意を尊重する方向へと態度を変えてきました。

10月28日の記者会見では、記者から「(10月16日の記者会見で)住民投票が行われた場合、その結果を尊重すると言っていた市長の考えは今も変わらないのか」と問われると、「私は法律を遵守したいという気持ちもある。仮定の中の話だから難しいけれども、当然、住民投票をして、反対が多かったという結果が出れば、遵守すべきだと考えております」と回答しました。続けて記者が「それはすなわち誘致を撤回するというふうに捉えていいのか」と切り込むと、「わたくし個人としてはそうですね。そういうことになりますね、結果はね」と述べ、住民投票が実現し、反対が多数となれば誘致を撤回する考えを示しました。

住民の願う市政実現へ

 カジノの是非は住民が決める――。市政の重要課題について住民に是非を問う、当たり前の制度の実現は目前です。

横浜市会の多数をカジノ誘致推進派の議員が占めているとしても、住民に是非を問うための条例案を否決することは正当化されません。私たち自治体労働者は、住民福祉を増進する立場から、住民の負託に応えられる行政運営の実現のため、引き続き、住民投票条例の制定を目指します。