グローバル資本主義から脱炭素社会へ

グローバル資本主義から脱炭素社会へ

 新型ウイルスCOVID─19の第2派あるいは第3波の感染拡大の最中に新しい年を迎えることになりました。

社会進歩に拍車をかけていこう

 ウイルスはある日突然どことなく降って湧いたのではありません。それは、グローバル資本主義・新自由主義が利潤のためだけに自然の物質代謝を攪乱して生態系を傷つけてきたことに始まります。WHO(世界保健機関)が主張するようにCOVID─19は自然起源によるものです。研究所から発生した「武漢ウイルス」との陰謀論はわざわざ検証するに値しません。わずか20年のうちにSARSとMARSに続いて3度となった「新型」ウイルスの出現は、いかに近年の気候変動が深刻かを証明しています。それだけでなく、ウイルスの蔓延と医療崩壊の危機を導いているのもまた「経済を止めるな」「この道しかない」=「GoTo」という資本の論理です。

 であるならば、私たちが直面しているのは自然の猛威ではありません。人為的なパンデミックです。いささか挑発的に聞こえるかもしれませんが、私たちの日常はグローバル資本主義のくだらなさに付き合わされていると言って言い過ぎではないでしょう。

 以上のような問題意識を共有した合評会(編集会議)の議論を経て特集号は組まれています。いずれの寄稿も私に気づき(たとえば「炭素予算」!)を与えてくれました。

 「登りたいのは山々」は、人々が尊崇の対象とする潤沢な自然を紹介しています。

 「私たちの家は燃えている」と「持続可能な生活を創造しましょう!」はともに自身の生活を中心に書くこととあわせて、脱炭素社会の実現の必要を説明しています。それぞれ「構造的な転換」「システムの根本的変革」という表現で、経済と政治、社会、そして労働運動の課題であることを暗に知らせています。

 この点については、「気候正義を求める運動と労働組合および労働者階級」が、示唆に富んでいます。欧州に萌芽のあった気候正義の実現を目指して国際主義に立つ労働運動の潮流は、新型コロナ禍をうけて、いよいよ深い変革を志向して労働者の力を再構築するためのキャンペーンを強めています。職場を基礎にした強く大きな団結なしには資本と政府と自治体当局を規制することはできず、エコ活動はむしろ巨大企業と資本家が環境に配慮していると見せかけるイメージ戦略の欺瞞「グリーンウォシュ」に絡めとられて終わるからでしょう。

 この認識は書評「注目したいポスト・キャピタリズム論」が取り上げる『人新世の「資本論」』にも共有されています。私たちの労働(公共関連労働、公務労働、自治体労働)は、公共財、公共の富、住民の共同の利益を守るところに本質を持っています。自治体労働運動は、そういう労働の実践を全面的に保障するためのたたかいでありたいですね。

 「大型台風と学校用務」が明らかにしているように、社会を維持し再生産するためには、現業労働のようなケア労働(「ケア」はもともと広く他者への配慮や気配りを意味する言葉だ)が必要不可欠(エッセンシャル)です。当面、私たちはみな住民のケアに従事する「エッセンシャルワーカー」として直営の持ち場を守りながら、新自由主義によって民営化(=privatizationの正しい訳語は「私有化」)された「社会的なもの」「公共的なもの」を労働者住民の手に取り戻し拡大していく必要に迫られています。

 私たちの組合・市従が昨年8月の定期大会で決定した運動方針は、感染爆発のもとで国境を越えて徹底した利潤追求を優先するグローバル資本主義の矛盾と欠陥が露呈したことを指摘しています。運動方針は「もっと平等で包容力があり持続可能な経済と社会の建設に焦点を当てる必要がある」との国連事務総長の発言を引用して、目下の情勢を「『これまでと異なる経済・社会の構築』の議論が世界規模で沸き起こっている」と規定しました。

 今年も歴史の必然に拍車をかけていこう。

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