大型台風と学校用務 #気候危機と労働運動

 私の趣味はボディーボードで波乗りをすることです。サーフィンと同じく波の上を走ります。これに欠かせないのが海のうねり。天気により波乗りが左右されるので、天気図をよく見ます。

教育・学校用務員

 最近は、海で知り合った漁師さんから、海の話をよく聞きます。天気図を見て波の予報を立てるのはサーファーの基本ですが、一番当てになるのがベテラン漁師さんたちの予報です。海の天気をたくさんの経験や昔からの言い伝えで当てていくのです。「沖にウサギが飛ぶように波があると明日は南風が強く吹く」や江の島の岩にぶつかる波の大きさでうねりの強さや流れを見たりと、天気図にはない予報を教えてくれます。

 そんな漁師さんたちが、獲れる魚の時期や種類が昔とは違ってきているとよく話しています。湘南の海が昔より暖かくなり漁にも影響が出ているようです。砂浜も狭くなっていると言っていました。

 温暖化で北極や南極の氷が溶けて海水面が上昇しているのでしょうか?

 漁師さんたちもそんなにお年寄りではありません。ここ10年か20年ではっきりとわかる変化のようです。

 去年の台風はルートが逆走するものもあって、漁師さんが「こんな進路の台風は初めてだし見たこともない」と驚くほどでした。

 学校現場もその台風通過後は大変な思いをしたのを覚えています。

 私の学校では大きな桜の木が根元から倒れ、民家に直撃する心配がありました。翌日は休校でしたが、早朝から出勤しました。倒れている桜の木を見つけ三角コーンやロープで立ち入り禁止の養生をし、通行の邪魔になる枝をノコギリで切り落としました。

 他の学校でも倉庫が土台から動いてしまったり、風で落ちた枝や葉が道路に散乱してしまったりと相当な被害を受けました。 

 被害後の安全対策や片付けをしたのはどの学校も直営の用務員です。自らの経験で柔軟に業務を組みかえて、子どもたちの学校生活をいち早く復旧させることができるのは、直営の職員だから。委託が持ち込まれれば、教職員や管理職など現場の判断や指示で動くことは、偽装請負になってしまうため、できません。

 実際の災害を経験し、学校の安全のために迅速な対応をしたから強く言えます。「学校用務員は直営でなければ」ならないと。

 私たち用務員の仕事も天候に深く関わっているので、気候変動を感じている人も多いと思います。先輩たちから、冬に洗ったモップを立てかけておくと次の日の朝には凍っていた、水道も凍っていて朝は水が出なかったといった話を聞きます。今ではほとんどない現象です。落ち葉の落ちる時期も少しずつ変わってきていると話しています。

 今年の夏は暑すぎて、木々の葉が枯れて落ち葉も例年とは違うような気がします。ジリジリとにじり寄るように地球が壊れていく気配を感じます。