第75回定期大会「大会宣言」

わたしたちは、本日、第75回定期大会を開催し、代議員の活発な討論により、一年間の運動を総括し、向こう一年間の新しい運動方針を確立しました。

昨年3月に世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスのパンデミックを宣言して1年半が経とうとしています。

ギリシャ語のpan(すべての)dēmos(人々/民衆)に由来する〈パンデミック〉と聞いて今日のわたしたちが否応なく連想するのは、すべての人々が感染する病にとどまりません。それは、徹底した利潤追求を優先するグローバル資本主義のもとで、公共財までも市場経済に委ねる新自由主義の弊害が、安全な場所に自己隔離して巨万の富を増やし続ける富裕層を除けば、すべての人々のくらしといのちを脅かしているという事実です。

国内では、強権政治と行政の私物化が深刻化し、政治の劣化を象徴する事件が相次いで発覚しています。

横浜市では、新型コロナウイルス感染症への対策が必要な状況にも、カジノを中核とするIR誘致を粛々と進める現職市長が今月15日、4選出馬を表明しました。

他方で、昨年11月のローマ教皇による「人間の尊厳を中心に据えた社会」の構築の呼びかけのほか、富の偏在に対する批判の高まりと、貧困と格差の是正を求める運動の前進、公正な社会への胎動が世界的に強まっていることもまた事実です。

中央最低賃金審議会の小委員会によって14日に示された、過去最高の引き上げ額となる地域別最低賃金(時給)の目安28円も、わたしたちも参加する全労連・国民春闘共闘の運動がつくりだした世論の力によって、一部の経営者団体の反発を乗り越えて勝ち取られた成果として、世界史的文脈に位置づけられるものです。

来月には市長選挙がおこなわれます。わたしたちは一昨日の支部代表者会議において、山中竹春さんを支持することを前提として、引き続き「カジノ反対の市長を誕生させる横浜市民の会」の中心的役割を担いながら、勝利をめざす取り組みを進めることを確認しました。

憲法を尊重し擁護する義務を負う自治体労働者として、公務関連労働者として、パンデミック後を展望し、住民自治とデモクラシー(dēmosの政治)を取り戻すたたかいに総力を挙げるときです。

来年は横浜市従業員労働組合の結成75周年です。労働者・住民の要求と職場要求を統一して追求する歴史と伝統を守り発展させる土台となるのは、いうまでもなく職場を基礎にした強く大きな団結です。それぞれの職場に必ず今日よりも大勢の仲間からなる労働組合をつくり、来年の定期大会を迎えようではありませんか。

本日確認した方針をもとに向こう一年間、ともに力を合わせて前進しましょう。

以上、宣言します。 

2021年7月30日
横浜市従業員労働組合第75回定期大会