山中竹春市長誕生かなえた市民運動を市政推進する連絡組織へ

 組合が中心的役割を担った「カジノ反対の市長を誕生させる横浜市民の会」(以下、「旧市民の会」)は、12月10日、各区(団体)代表者会議を開催しました。「住民自治を取り戻す」=市民の自治に依拠した市民本位の市政を推進するための緩やかな連絡組織として、「市民のための横浜市政を進める会」への再編・継承を確認しました。当面、組合としては、「旧市民の会」の事務局長を担った政村共闘部長が運営に参画し、連携をとって共同の運動を進めます。

あいさつする政村共闘部長(12月10日、桜木町)

 旧市民の会は、「カジノ反対の市長を誕生させる」目的を達成し、山中市長は誕生後、間を置かずに開会された市会定例会でカジノ誘致の撤回を宣言し、担当部署であるIR推進室の廃止を実行に移し、カジノ誘致に終止符を打つことができました。

 一方で、市会の構成と陰湿な議論の顕在化のもとで、私たちが旧市民の会として市長と締結している政策協定の実現を含む、市民の声を反映した公約を施策として着実に実行するためには、世論と運動、市民自治の力がますます重要になっています。

 そこで、旧市民の会では、政村事務局長(わが組合の共闘部長)を中心に、関係者と意見交換を進め、大筋で「議会構成も含めて、山中市長の公約実現を促進する市民の自主的な運動を継続・発展することが必要であり、相応しい役割を担う組織として、『市民の会』を存続・発展する必要がある」ことを確認してきました。市民運動の窓口的な対応をしていただければありがたいとの市長側の意向も示されていました。

山中竹春市長(右=予定候補者当時)。「市民の会」と「市政運営と政策の基本に関する協定」を締結した。市民の会の岡田尚代表世話人とともに署名した協定書を掲げている

 旧市民の会の11月24日の拡大世話人会では、山中市長からこの間のIRカジノ撤回、新型コロナ対策の強化、中学校給食の全員喫食に向けた対応などの報告とともに、市民の建設的な意見を施策に反映していくために市民の声を聞く制度構築も検討していく考えの表明がありました。そして、新たな「市民の会」の名称については、各区(団体)からも意見を聞いて取りまとめることにしていました。

 12月10日に開催した各区(団体)関係者会議では、市民の会の岡田尚代表世話人は「先日、山中市長から住民自治に対する自身のこだわりを改めて伝えられた。アシストしていく会の役割はこれまで以上に重要になっている」と挨拶し、会全体の確認であたらしい「市民の会」が始動しました。

「カジノ反対の市長を誕生させる横浜市民の会」から「市民のための横浜市政を進める会」へ

 2021年12月10日 カジノ反対の市長を誕生させる横浜市民の会・世話人会

 IRカジノ誘致をめぐる住民投票直接請求運動を引き継いで結成された「カジノ反対の市長を誕生させる横浜市民の会」は、会の趣旨に賛同し、運動に加わった18区の区民の会のみなさんをはじめ、文字通り草の根から一人一人の市民のみなさんが力を発揮し、住民投票直接請求運動をともに進めた野党のみなさんとも力を合わせ、8月の横浜市長選挙を闘い、山中新市長を誕生させることができました。横浜市長選挙の勝利は、民主主義と住民自治の発展という視点からも大きな意義を持つものであったと言えます。

 会は、山中市長誕生にあたって、8月23日付世話人会の声明で、掲げた政策を着実に実行するためには、これを支え、促進する市民の運動と自治の力がますます重要であることを指摘し、IRカジノ誘致をめぐる運動を通じて、住民自治をあらためて確認した横浜市民の力を合わせ、山中市長とともに素晴らしいまちヨコハマをいっしょにつくりあげることを呼びかけました。

 山中新市長誕生後、間を置かず開会された第3回市会定例会には、当選後初の所信表明を行った本会議をはじめ多くの市民が市会傍聴に駆け付け、新市長を激励しました。山中新市長もこれに応え、IRカジノ誘致の撤回を宣言し、担当部署であるIR推進室の廃止を実行に移し、IRカジノ誘致に終止符を打つことが出来ました。一方、市会論戦では、自民、公明両党などからの陰湿な議論も顕在化しており、山中市長と会との政策協定を含む公約実行には、市民の世論と運動=自治の力が一層必要になっていることを浮き彫りにしました。

 会が市長選挙にあたって掲げた「IRカジノ誘致反対」「住民自治を取り戻す」の二つの旗印は、「IRカジノ誘致反対」では、その実現を達成することができました。一方、「住民自治を取り戻す」という点では、その基礎をつくったとは言え、これからが真価を問われることになると言えます。

 以上を踏まえて、会は、「カジノ反対の市長を誕生させる」という最大の目的を達成したことを確認し、組織的に区切りをつけることとします。その上で、新市長を支え、一緒になって市民のための横浜市政をつくるべく公約で掲げた市民の願いに応えた施策の着実な実行を推進するとともに、「住民自治を取り戻す」=市民の自治の力に依拠した市民本位の市政を推進するための緩やかな連絡組織として「市民のための横浜市政を進める会」へと再編・継承します。

〇新たな会の名称を「市民のための横浜市政を進める会(略称「市民の会」)とします。
〇「市民のための横浜市政を進める会」は、「カジノ反対の市長を誕生させる横浜市民の会」の世話人会を母体に運営体制を検討・確立します。
〇「カジノ反対の市長を誕生させる横浜市民の会」に加わった18区民の会などに同様の趣旨で運動体の再編・継承を呼びかけます。
〇「市民のための横浜市政を進める会」は、一人一人の市民が市政の主人公としての自覚のもとに、自主的に運動に参画することこそ会の趣旨に適うとの考えに立って、「指令的」に日常活動を担うものとせず、市会傍聴など自主的なそれぞれの運動が促進されるための情報発信や相互協力と交流などを行うこととします。
〇同時に市政の重要問題や節目にあたっては、会が呼びかけ、具体的な取り組みの実施や運動の構築を行います。
〇以上を基本に新たな運営体制のもとで、会の財政、政治団体登録の取り扱いなどを含め、会の組織、運営、活動の詳細を整備します。