伊藤孝司さんの写真展「平壌の人びと」

 かながわ県民センターで11月15日から、伊藤孝司写真展「平壌の人びと」が開かれました。

このあとの開催予定
●福岡(旧門司税関)
12月21日(木)~27日 ※作者によるギャラリートークあり、毎日14時半
北九州市門司区東港町1-24、☎093-321-4151
●東京(高麗博物館)
2023年5月3日(水・休)~7月2日(日)
東京都新宿区大久保 1-12-1 第二韓国広場ビル7階、☎03-5272-3510
●広島
2023年夏 ※在朝被爆者の写真パネルも展示

 フォトジャーナリストの伊藤さんは1992年から朝鮮民主主義人民共和国を撮影してきました。これまでに訪朝は43回にのぼります。アジア太平洋地域で暮らす人々の視点から、日本による侵略戦争と植民地支配の歴史と現在を捉えようとしてきた伊藤さんにとって、国交のない「『空白』となっている国へ関心が向くのは必然的なことでした」。

 昨年8月に伊藤さんの在住する三重県から始まった同展の開催は、すでに全国各地で10か所を超えています。

ジャーナリストはさりげない日常をひたむきに撮る

 人民軍の兵士たちが行進する姿や、2017年4月にまだ発射実験が実施されていなかった「火星12」を金日成広場で撮った写真もありますが、カメラが捕えた多くはレストランや農場または工場で働く人の表情。そして、通りを歩く人、踊る人、あるいは集まって屋外でビールを飲む女性、それから家族写真…市井の人の暮らしにレンズを向けています。

 「『北朝鮮』に敵対的なイメージを抱かせる報道の仕方に用いるのでなければ、日本では写真を使ってくれないマスコミも多い」と伊藤さんは話します。そう、わたしたちは「日本」というこの国にいて、隣国を一面的にしか理解できていません。伊藤さんは、展示する写真のすべてに丁寧な解説をつけています。「独裁者の国」「悪魔の国」「自由のない飢餓の国」は悪意をもってつくられたイメージであって、ただひとつの真実ではないでしょう。

 伊藤さんの写真は、いずれも客観的な事実を伝えようとするジャーナリストの魂に裏打ちされています。たとえばそれは、金日成主席生誕100年の国際祝賀大会の日の人民文化宮殿で、カメラの持ち込みが禁止されていたところへ、袋に隠して入って撮影に成功したという、度胸にも顕著に表れています。

 この後の開催が決定している写真展「平壌の人びと」の場所と日程は、次のとおり。関東では、来年5月から東京で見ることができます。

●福岡(旧門司税関)
12月21日(木)~27日 ※作者によるギャラリートークあり、毎日14時半
北九州市門司区東港町1-24、☎093-321-4151
●東京(高麗博物館)
2023年5月3日(水・休)~7月2日(日)
東京都新宿区大久保 1-12-1 第二韓国広場ビル7階、☎03-5272-3510
●広島
2023年夏 ※在朝被爆者の写真パネルも展示