横浜地裁 生活保護基準の引下げを断罪

 10月19日、横浜地方裁判所は、生活保護基準引下げの取り消し請求を認容する判決を言い渡しました。「生活保護法違反」「違法」と断罪した判決は、昨年2月22日の大阪地裁判決、今年5月25日の熊本地裁判決、6月24日の東京地裁判決に続いて、全国で4件目です。

厚生労働大臣の「違法」

 2013年から3回に分けて行われた生活保護基準の見直しについて、神奈川県内の生活保護利用者48人が、それを理由とする保護費引下げの取消を求めた裁判で、第1民事部・岡田伸太裁判長は、「(本件改定は)違法なものというべきであるから、本件各変更決定も違法」との判決を言い渡しました。

裁量権を逸脱・濫用と認定

 当初から「物価偽装」を指摘する分析もあった「デフレ調整」について、特異な物価上昇が起こった2008年を起点としたこと、「生活扶助相当CPI」という利用者世帯の生活実態とはかけ離れた独自の計算で物価下落率を算定し、専門的知見に基づく適切な分析及び検証を経なかった厚生労働大臣の判断に過誤、欠落があり、裁量権の範囲を逸脱または濫用したものと認めました。

 判決は、改定の影響が利用者世帯の約96%に広く及び、減額幅も大きいことから、「結果も重大」ともしています。

原告側弁護士(10月19日、横浜地裁前)

 弁護団・原告団らは、判決日、共同声明で、「憲法25条の定める健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障する勝訴判決」とし、判決の意義を重く受け止め控訴せず判決を確定させることや、利用者に謝罪して違法に下げられた保護基準を引下げ前に直ちに戻すことなどを国に対して求めました。