戦争と窮乏化つづく世界で 大軍拡とめる国際連帯をいま

 1月12日、中央執行委員会は「横浜市従2023年国民春闘方針(案)」を提案しました。春闘方針は、支部の意見を踏まえた修正ののち、2月2日の中央闘争委員会で決定される予定です。方針案の「春闘期の情勢と特徴」と「春闘期の主要な闘争課題と闘いの構え」をもとに作成した討議資料を掲載します。

「民主」対「専制」が長期化させる戦争

 ロシアのウクライナ侵略が長期化しています。
 米国を中心とする西側諸国はウクライナへ「軍事支援」「資金援助」を行っており、戦争を長期化させる要因の一つになっています。軍事支援は「武器を取って最後まで戦え」と背中を押しているにすぎず、停戦交渉が進まない中、犠牲者を増やすだけであり、軍需産業が莫大な利益を上げています。
 「憲法9条」を活かした外交こそが日本が行うべき国際貢献です。一刻も早く、戦争を平和的に終結させなければなりません。「民主主義」対「専制主義」などの価値観による分断や、軍事同盟ではなく、平和外交の強化こそが必要だというのが歴史の教訓です。

核兵器禁止条約
まもなく過半が署名国

 核兵器禁止条約が発効して2023年1月22日で2年を迎えます。2022年12月27日時点で署名国は91か国、批准国68か国となり、署名国が6か国増えれば国連加盟国の過半数となります。
 戦争被爆国として核兵器禁止・廃絶に主導的な役割を果たすべき日本政府は、核抑止力論に固執し、「核兵器禁止条約は我が国のアプローチと異なる」として条約に背を向け続けています。
 全国では648自治体(全国の36%)が日本政府に核兵器禁止条約への調印・署名・参加を求める意見書を採択しています。草の根から日本政府を包囲するとりくみが必要です。

自由と民主主義という「普遍的な」価値を信奉しているらしい西側の資本主義国が、国際社会の中で平和的かつ民主的な役割を担っているという確信は、幻想にすぎない。誰が戦争の種をまき、戦争から儲けているのか。冷静に見るべきである。欧州と米国の労働者は、自国の政府が提供する資金と武器と無条件の支持がパレスチナ人を虐殺していることに怒りの声を上げている。「#イスラエルに軍事支援するな」のプラカードが見える(写真=ロンドン)

アジアに緊張高める米軍との一体化

 10月7日の参院本会議で「あらゆる選択肢を排除せず、防衛力を抜本的に強化していく」と答弁し軍拡の姿勢を示した岸田文雄首相は、12月5日、2023年度から5年間の防衛費総額を43兆円とするよう指示しました。

 現行の中期防衛力整備計画は総額約27・5兆円で、その約1・56倍もの大軍拡です。1年あたり約8・6兆円。第2次安倍政権以降、過去最高を更新し続けた金額(22年度は約5・4兆円)をはるかに超えます。岸田首相は防衛省以外の予算を加算する「総合的防衛費」年間11兆円規模の軍拡も狙い、財源には増税も否定していません。

 12月16日には「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」を閣議決定し、「反撃能力」(敵基地攻撃能力)の保有を明記しました。日本が武力攻撃を受けていない段階から第三国の領土へ攻撃が可能で、重視する分野に挙げた「統合防空ミサイル防衛能力」は、日本が米国の「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」に組み込まれて軍事的一体化を深化し、緊張を高め、戦争リスクを増大させます。