地方自治を発展させて人間らしい生活と権利が輝く地域社会へ

オピニオン

 1月12日、中央執行委員会は「横浜市従2023年国民春闘方針(案)」を提案しました。春闘方針は、支部の意見を踏まえた修正ののち、2月2日の中央闘争委員会で決定される予定です。方針案の「春闘期の情勢と特徴」と「春闘期の主要な闘争課題と闘いの構え」をもとに作成した討議資料を掲載します。

くらしを直撃する物価高騰

 すでに昨年10月1日までに2万品目以上が値上げされ、1月以降も値上げを公表している企業は少なくありません。8月の消費者物価は約31年ぶりに大幅に上昇しました。22年度は年間10万円以上家計負担が増えるとの試算もあり、物価高騰は公共料金や外食などにも影響しています。
 ところが実質賃金は低迷しています。12月6日の厚生労働省・毎月勤労統計調査の10月結果速報では、現金給与総額が前年同月比で10カ月連続となる1・8%増ですが、実質賃金は7カ月連続となる△2・6%となっており、2020年の平均を100とした実質賃金指数は83・1に落ち込んでいます。
 他方、富裕層の富は増え続けています。この間の株高によって、富裕層は自社株の上昇と配当金で数千億から1兆円単位で資産を急増させています。100万ドル以上の金融資産を保有する人は国内に26万人増えて366万人となり、世界第3位となっています。億万長者の国内1位はユニクロの柳井氏で、国民1人当たりの預貯金額の約19万人分に相当する3兆680億円にも上ります。
 大企業もこの間、好不況にかかわらず内部留保を増やし続けています。財務省が発表した法人企業統計調査では、資本金10億円以上の大企業の2021年度の内部留保は前年度を18兆円も上回り484兆円となりました。内部留保が増加した原因は、賃金の抑制や法人税の引下げと大企業の優遇税制、社会保障費における企業負担が少ないことなどです。

声を上げる人々のうねりがはじまった

 10月26日、インボイス中止を求める声優やアニメーター、ライターなどが日比谷野外音楽堂で集会を開催しました。11月14日には、日本俳優連合が制度施行中止を求める声明を発表し、11月16日には「インボイス制度の問題点を検討する超党派の議員連盟」が設立される、大きな流れになっています。
 世界ではアマゾンやスターバックスなどの労働組合結成の動きが始まっています。

信用力ない賃金デジタル払い

 厚労省は、10月26日に労基法施行規則の一部改正省令案の要綱等を示しました。
 貨幣と同等の信用力もないデジタル通貨による賃金支払いを可能とするもので、労働者の同意も形骸化されるおそれが極めて高くなります。

ジェンダー格差とコロナ禍は政治災害

 3年におよぶコロナ危機は、長期の政治災害です。公務公共の脆弱性、くらし、労働・雇用・生業、ジェンダー格差などの問題が浮き彫りになりましたが、いのちを守る姿勢のない政権は抜本的な解決策を示しません。
 日本の死者は累計6万人を超えましたが、政府は入国制限緩和など経済界の求めに応じ、感染対策を放棄しました。
 危機の影響は、女性の自殺者数にも表れています。21年の女性自殺者は7068人(「自殺対策白書2022年版」)、2年連続で増加しています。政府は、失職や収入減が背景にあり、女性が7割を占める非正規の雇止めやシフト減の影響も認めています。
 ジェンダー格差が命の危機を招いていることは、看過できません。

受け継がれるカルトとの癒着

 岸田政権による「国葬」の強行、「弔旗」の強要などと併せて、岸信介・元首相時代から半世紀にわたり、安倍晋三・元首相も流れを受け継いでいた「統一協会」との癒着が政治的大問題となっています。岸田首相は「地方で様々なケースがあるのは承知しているが全体であるとは思っていない」と全容解明に背を向け続けています。

市民要求実現の共同が試される市会議員選挙の年

 山中竹春市長が掲げた全員制中学校給食などの実現に向けて、広範な市民との共同した取り組みの強化が求められています。
 昨年11月28日から開催された第4回市会定例会で中期計画の原案が審議され、12月23日の本会議で付帯意見つきで議決されました。子ども医療費助成は中学3年まで無償化実施が位置付けられましたが、出産費用は国の制度の動向を見極め、敬老パス75歳以上無償化は利用実績等を踏まえながら持続可能な地域の総合的な移動サービスの検討となっています。中学校給食の全員喫食は、給食の利用を原則としデリバリー方式による供給体制の確保を25年度までに完了することと、生徒に満足してもらえる給食の提供に向けた準備を進めるとしています。
 市会の会派構成は少数与党となっていることから、4月の統一地方選挙で市民要求実現や公約実現をすすめるための会派構成を確立することが重要となっています。

気候危機とめる未来を変えるのは今

 世界中で異常気象が多発しています。豪雨や洪水、干ばつや熱波など気候危機はもはや予測ではなく目の前の過酷な現実となっています。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がすでに断定しているように、気候危機は主に人為起源の二酸化炭素排出量の増大によってもたらされています。

温暖化対策のための行動を求める学生たちの行進(写真=独・ボン)

 若者が未来を変えるために行動しています。国連総会開催日の9月23日、世界中で地球温暖化対策の強化を訴える「世界気候アクション」が実施されました。東京では、高校生や大学生ら約400人が「気候変動を止めるのは今しかない」「未来を変えるのは私たち」と声を上げました。参加者は、「気候変動がすすめば、みんなが予測できないような大災害が起きてしまう、だから今動くしかない」と語っています。
 11月6日から開催されたCOP27(国連気候変動枠組条約第27回締約国会議)は11月20日、発展途上国が求めている「気候変動による損失と被害に対応する基金」の設立を合意しました。
 欧州で始まった地球温暖化対策をすすめる「気候市民会議」が、日本でも動き始めています。7月に日本で初めて東京都武蔵野市が主催する会議を開き、杉並区でも勉強会などが開かれています。

憲法と地方自治が息づく働きがいのある市政をめざす闘い(主要な闘争課題と闘いの構え:要約・抜粋)

(1) 国の財政による地方自治への介入と、地方自治を変質させる自治体「構造改革」を許さず、国民のいのちと暮らしを守ることができる憲法に基づく地方自治の拡充を求める運動を進めます。
(2) 4月に行われる統一地方選挙を要求実現のために政治を変える絶好の機会と捉え、市民との共同の運動を前進させ、、職場要求と市民要求を反映させる取り組みを、地方自治研究活動と結びつけながら進めます。