2020年4月22日(水曜日)[ 登りたいのは山々 ]

【第171山】大潟富士0m(秋田県)「標高ゼロメートルの山」

 「標高ゼロメートルの山?あり得ない!」と思われよう。しかし歴として存在するから面白い。所は秋田の八郎潟。八郎潟と言えば、かつてはニッポンの湖の中でも琵琶湖に次ぐナンバーツーの面積を誇っていたのだが、大規模な干拓工事によって1964年に広大な農地と大潟村が誕生した。

 その八郎潟の干拓の工法が、標高ゼロメートル山の存在を可能足らしめたと言える。干拓というと大量の土を投入して陸地化する方法が思い浮かぶが、八郎潟では元々は水深3mほどのごく浅い湖底が広がっており、堤防と水門を築いて水を抜いたのである。そのため広大な農地の大半の標高はマイナス3~4mほど、堤防が破壊されればたちまち全域が水没してしまう。

 1995年、そのマイナス面に土を盛って築かれたのが大潟富士だ。厳密には現地の標高はマイナス3.8m、そこに本家富士山の1000分の1、すなわち高さ3.776mのミニ富士を形成、差し引き標高ゼロメートルの山が誕生したわけである。

 現場は200平方㎞に及ぶ広大な干拓地の真ん中辺に位置する。なにせ標高差は3.8m、山麓から山頂まで1分と係らない。山頂からは広大無辺の大パノラマ、を期待したいところだが干拓地を区切る樹列の高さが3.8m以上あるので、さほど広範囲が見えるわけではない。

 山頂から見渡すと、丁度目の高さほどに赤い球体を取り付けた塔が目に付く。この球体の高さが海水面を示している。周囲には立派な案内看板もあって、地元ではそれなりの観光スポットとしてアピールしているようだが、如何せん全国的知名度に乏しい。だが標高ゼロメートルはなかなかのセールスポイントではないだろうか。

一方、登ってみてもさほどの高度感が得られないのは寂しい。どうせなら、近隣に富士山の100分の1→37.8mの展望台でも作れば、八郎潟は元より日本海や出羽山地に至る、文字通りの360度の大パノラマが得られるはず。セットで売り出せば、それなりの人気スポットになり、大潟村の観光振興にも貢献できるのではないか。山好き人間の安易な発想と言われればそれまでだが。

◆おすすめコース
秋田駅(車30分)大潟富士(往復1分:初級向け)※秋田市や男鹿半島観光のついでに立ち寄っては如何

大潟富士とゼロメートル球体

◆参考地図・ガイド ◎「国土地理院地図」でWEB検索して現地を特定

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