【第226山】三保市民の森(神奈川県) 山登りの身近な訓練場

【第226山】三保市民の森(神奈川県) 山登りの身近な訓練場

 住宅街で埋め尽くされた感のある横浜市域だが、オアシスのように緑地が点在している。町中の狭い緑地などと侮るなかれ。地形と道の配置の妙から、深山を歩いているような感覚に浸れるエリアも存在するのだ。面積40㌶を誇る三保市民の森は南北に長く、その長手方向に3本の遊歩道が付いている。

 東側の低い位置にあるのが谷道で、ほぼ一直線。谷戸の底はかつては田んぼだったのだろうが、北半分はいろんな業者の資材置き場になっていて興ざめ、都会地の辺縁部の宿命と割り切ろう。幸い、南半分は谷戸に田畑が広がり、里山を歩くムードが味わえる。

 西縁は最も高く、ゆったりした尾根道が森と団地の境界線上に付いている。ルート北側は若葉台の高層住宅地の脇を通り、公園の遊歩道を歩く感覚だ。南側は水道局の川井鶴ヶ峰導水路と並走していて、この歴史ある水路を跨いだり沿ったりするが楽しい。

 そして尾根と谷戸の中間、山の中腹部に伸びるのが、その名もプロムナードだ。他の2本とは全く様相が異なり、尾根と谷が複雑に入り組む中を、上下左右に屈曲する山路が延々と伸びる。滑りやすい急坂や、降雨後は小川のように水が流れてしまう道など、登山道のワイルドさに満ち溢れている。そしてなにより、深山にいる感覚に浸れるのである。

深い森の中に続くプロムナードコース

 林床はシダ類が豊富で、豊かな森の恵みを感じ取れる。複雑な地形と深い樹林に囲まれているので、ルートの大半で下界の喧騒が聞こえてこない。またルートが複雑で分岐も多く、予定通り歩くには地図をにらみながら慎重に歩を進める必要がある。つまり歩きにくさと併せて、本格的な山歩きの良い訓練になること請け合いなのだ。ここを歩きつけて感覚を研ぎ澄ましておけば、本番でどれほど役立つことか。ゆっくり丁寧に歩けば、抜け切るのに小一時間ほど係るから、身体の山慣れにも通じよう。

 お隣には先年紹介した新治市民の森があり、他にもズーラシア、四季の森公園、里山ガーデンなど、一帯は緑の回廊のような恵まれたエリアといえる。山歩きの練習はともかくとしても、横浜市域の緑地の多様性を堪能してみたい。

◆おすすめコース
 中山駅(バス)三保市民の森─3本のコース─霧が丘高校前(バス)─十日市場駅(歩行2時間:初級向け) ※運動靴でも可だが、プロムナードは軽登山靴の方が安心だ。

◆参考地図・ガイド「市民の森ガイドマップ」で検索して、横浜市のサイトからマップをプリントアウト

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