【第252山】秋葉山85メートル(神奈川県)古墳連峰大縦走

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 古墳と言えば天皇家クラスの巨大な土塁が思い浮かぶが、地方の有力豪族も各地に多数の古墳を残していた。ただ、保守管理がなされてきた大型古墳に対し、中小の古墳は時代と共に放置され、樹が生い茂るなどして存在そのものが忘れ去られてしまった所も多い。神奈川県のへそに位置する秋葉山古墳群も、系統だった調査が入ったのは前世紀末からで、一部は保守が間に合わず宅地化されてしまっている。しかし過半はきちんと整備され、1号墳から5号墳までが鉤状に並ぶ様は、あたかもリトル山脈の趣がある。登っては下る、の連続がなんとも小気味いいのである。ニッポン最小の山地縦走と割り切って歩いてみては如何だろう。

 相鉄線かしわ台駅正面の車道を、西へ向かって歩いて246号線を潜ると、盛り上がる宅地の上に一連の林が見えてくる。そこがちょうど古墳群に当たる。南端の1号墳からたどってみよう。まずは、現地に詳細な案内看板があるので事前学習を。ここの価値は、時代による古墳の変遷・発達史が順次見て取れることにある。形も単純な方墳から前方後円墳まで各種あり、外形を観察しつつ順に上り下りするとよい。

 一番高く立派なのが2号墳で、憲政記念碑が立ち、また海老名市の最高峰にも当たる。樹が生い茂っているので古墳の上からの眺めはよくないが、西側に一段降りた所からは相模台地の背後に丹沢山地などがよく見える。なるほど、往時の豪族は眺めの一番良い場所に葬られたかったのだろう。丘陵の最上部に土を盛り上げて墳墓を造ったのであるから。長さ600mほどのミニミニ山地最後の山は、墳丘の一部に住宅が建ってしまっている5号墳だ。 

2号墳の全貌

 さすがに古墳山だけでは物足りないかもしれない。縦走を終えたら、西に向かって丘陵を下ってみよう。下ったら小田急線に沿って北進すると30分ほどで座間谷戸山公園に至る。ぐっと時代は下るが、里山体験エリアとして整備されている。深い森、田んぼ、大きな池や里山体験館などが揃い、伝説の丘とも呼ばれる本堂山のピークは居心地がいい。古墳巡りとセットで歩けば、充実した一日が過ごせるに違いない。

◆おすすめコース
かしわ台駅─秋葉山古墳群─座間谷戸山公園─座間駅(2時間:初級向け)
※道標の類はないので、地図をよく確認のこと。
◆参考地図・ガイド ◎「秋葉山古墳群」で検索して海老名市の公式ウェブサイトへ