ブレイクタイム

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  • 2020.10.23

(第2部1回) 舵を切る福祉国家

 戦後、先進資本主義国は、ソ連を中心とする社会主義世界体制に対抗するために、「福祉国家」政策を迫られた。  70年代初め頃までに、完全雇用・労働政策・社会保障政策をとおして労働者の生存権保障を整えていった。  ところが、二度のオイルショックによる経済危機=低成長を契機にそれは、新自由主義へと舵を切り始めた。  81年に発足した米国のレーガン政権は、財政支出の削減、減税、規制改革で景気の浮揚をはかる […]

  • 2020.10.23

【第183山】 笹ヶ峰 1,860メートル(愛媛県・高知県)四国の笹の殿堂

 四国の高山帯といえば、石鎚山系、剣山系、四国カルストなどがあるが、どれもが笹原に覆われていることが特筆される。それも稜線の一部とかいったレベルではなく、山全体を覆い尽くすような様が、他には見られない独特の山岳景観を生み出している。笹エリアを歩くというと、視界の利かないヤブ漕ぎが連想されるが、オモゴザサ(面河笹)など四国高山帯の笹はどれも背丈が低い。腰くらいの高さが続くので、笹原であっても見晴らし […]

  • 2020.10.08

(第4回) 「安保繁栄」論の破たん

 米国のマクガヴァン上院議員の1964年に曰く、「アメリカがスポンサーとなった学校給食プログラムによって児童がミルクとパンを好むようになり、日本が農産物の最大の顧客になった」。  1952年に再開された給食で日本がパン食と脱脂粉乳を押し付けられたことの延長上に、安保条約改定は、あらゆる農水産物を押しつけられる日本の将来を決定づけた。 朝鮮戦争の休戦後、米国内の農産物は、兵食としての行き場を失ってい […]

  • 2020.10.08

【第182山】 至仏山2,228メートル(栃木県・群馬県)上り専用、下りは禁止

 登山道の中には希に一方通行の道がある。槍ヶ岳の穂先に登るルートの一部や、カニの縦這い・横這いで上り下りを分ける剱岳などがその例だが、距離的には短い。ところが標高差800m、コースタイム(所要歩行時間)にして2時間以上の長大なルートが、そっくり一方通行になっている所がある。しかもハイカーに人気の重要コース、それが至仏山から尾瀬ヶ原へ下るルートなのである。  至仏山は展望のピークとしても知られ、眼下 […]

  • 2020.09.17

【第181山】 恵庭岳1,320メートル(北海道)人的破壊と自然崩壊の狭間で

 滑降といえばアルペンスキーの花形だ。男子なら800m、女子で600m程の標高差の急斜面を、時速100㎞超の高速で一気に滑り降りるスリリング極まる競技である。ところがこの膨大な標高差が曲者。ここまでの条件を満たすスキー場はおいそれとはないため、オリンピックの度毎に大規模な開発を余儀なくされ、自然保護との絡みで物議を醸してきた。  1972年の札幌五輪で滑降コースが設定されたのが、支笏湖畔に秀麗な姿 […]

  • 2020.09.17

(第3回) 高度成長する「死の商人」

 1964年の東京五輪にあわせた、東海道新幹線、首都高速道路、国立競技場などの交通網整備と施設建設が終わった反動で、1965年に日本経済は不況を経験した。ところが、翌年には回復。急速な環境破壊、公害を激化させながら、1960年代後半も、日本では重化学工業を中心とする経済成長が継続することになった。  何がそれを可能にしたのだろうか。資源に恵まれない列島におりながら、真面目で勤勉な責任感の強い日本人 […]

  • 2020.08.27

(第2回) 「類なき関係」への再編

日本列島を便利な兵站基地として利用するという米国の目論見によって、日米安全保障条約(以下、「旧条約」)は、朝鮮戦争の最中に結ばれた。  敗戦後の日本経済が好況に転じ成長の軌道に乗っていった起点は、1950年の朝鮮戦争の勃発にともなう物資・サービスの日本企業への発注すなわち「朝鮮特需」にあったことは広く知られている。1952年に連合国軍総司令部によって武器生産が公式に許可されると、兵器特需が特需のな […]

  • 2020.08.27

【第180山】 三国山 外1,320m(神奈川県・静岡県・山梨県)県西端の三山

 神奈川県の西の端、丹沢山地の外れでもあるが、そこに気になる三つの山が連なっている。交通不便なせいもあって登山者の影は薄いものの、そのどれもが「技あり」の個性を備えた山だ。登山道の優しさも手伝って、充実の三山巡りが楽しめるのである。  トップは、この連載でも触れたことのある三国山で、神奈川・静岡・山梨の三県境に位置する。ただしあまり山らしくない。突出したピークの一点ではなく、緩やかな尾根上の肩に相 […]

  • 2020.08.05

【第179山】 大日岳2,501m(富山県)近いけど不遇な山

 下界から見る山岳景観の中では、富山平野からの北アルプス北部が最高のものだろう。標高差はズバリ3000m、国内でも特に雪の多い山岳地帯だから、白銀の峰々が余計に引き立つ。その中で富山平野に最も近いのが大日岳である。立山の前衛として、古来信仰の山として親しまれてきた。里に近い分、標高の割には山姿が堂々と見え、余計に尊崇されたものと思う。  里に近い分、登り易いから、本来なら人気絶頂の山であって然るべ […]

  • 2020.08.05

(第1回) 「対等な日米関係」どこに?

日米同盟は、いまだかつてないほど強固で、幅広く、そして不可欠なものとなっている。我々は、過去60年間の成果を賞賛するとともに、今後も日米同盟を強化し、日米両国が共有する価値と諸原則を堅持するとの揺るぎないコミットメントを改めて表明する。  1960年1月19日、岸信介首相(安倍首相の祖父)の手で現行の日米安全保障条約(以下、「改定条約」)は署名された。同年6月23日に批准、発効し現在に至る。  改 […]

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